2020 Fiscal Year Research-status Report
沖縄戦死別経験者のライフコースと家族キャリアに関する研究
Project/Area Number |
18K02031
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安藤 由美 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (60232104)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ライフコース / 家族 / 戦争体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
住民の大半が沖縄戦による家族員喪失を経験した沖縄社会において、そうした集合的な経験が戦後の家族の発達、家族観の形成にどのような痕跡を残したかという問題の答えを探るために、沖縄戦で親と死別した人びとが戦後歩んだライフコースに関する質的面接調査を行い、家族キャリアの記述分析を行うのが本研究の目的であり、調査対象は研究代表者が過去に実施したライフコース調査研究において標本となった、大正および昭和期生れの対象者の子ども世代(終戦前に出生)にターゲットを定めた。 しかしながら、昨年度、情報不足からそのような人びとを捕捉することができず、結果的にパネル追跡は失敗に終わった。 そこで今年度は、新たに別の方法で対象者を探すとともに、回顧的な研究デザインに変更する計画に変更することにした。しかしながら、新型コロナ感染症拡大のため、調査活動は行なえなかったので、戦争体験がその後のライフコースに及ぼす影響を定式化するための理論枠組、概念、仮説を、あらためて先行研究を元に整理する作業に専念した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた研究の方法は、対象者(主に高齢者が中心)に直接会い、対面で聞き取りを行うものであったので、新型コロナ感染リスクに鑑み、調査活動を控えざるを得なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の状況は依然続いているため、計画当初想定していた調査活動は見込めない。従って、代替的な方法として、二次資料の活用を考えたい。 その一方で、引き続き、戦争体験がその後のライフコースに及ぼす影響を定式化するための理論枠組、概念、仮説を、あらためて先行研究を元に整理する作業を行いたい。
|
Causes of Carryover |
予定していた聞き取り調査が行えず、聞き取りの反訳作業にかかる謝金が発生しなかったため、次年度使用額が生じることになった。次年度は、ライフコース形成への歴史的・社会的文脈の効果に関する理論・実証文献を整理するため、図書、消耗品の購入に使用する予定である。
|