2019 Fiscal Year Research-status Report
新自由主義をめぐる諸議論の布置連関構造の解明:テキストマイニングを用いて
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18K02032
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
左古 輝人 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (90453034)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計読 / 自由 / 新自由主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
データエントリーの作業をおおむね終え、英語図書、逐刊を比較指標として分析を本格的に開始している。 日本語データセットのなかでは、21世紀に入っても「新自由主義」といえば20世紀初頭の英米のニューリベラリズムあるいは20世紀半ばのドイツのオルド自由主義を指しており、成熟した産業国家における規制緩和を主張するフリードマン的なネオリベラリズムは、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義の歴史』の邦訳刊行とともに言及され始めたことが分かってきた。 10月には計読研究の一環として取り組んできたジェンダーに関する論考がハーヴェスト社より刊行された。同10月南京大学にて日中韓の近代概念史・思想史の辞典編纂会議に参加した。11月SSHA(米国社会科学史協会)シカゴ大会にて計読研究の一環として取り組んできた市民社会に関する報告をおこなった。なお、本研究を総括する論考を脱稿した。2020年6月にひつじ書房より刊行の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計読(テキストアナリティクス)が英語圏でも社会・文化事象の研究に応用され始めており、本研究に対する国際的関心が高まっている。ただし多くの研究成果は「やってみました」的な試みに終始しており、より焦点を明確にした実質的な成果が出てくるには、すそ野の広がりとともに、成果を評価するミーティングを定期的に世界各地で開催してゆく必要があると考えている。そのために中国と米国に出張した。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響で、ひつじ書房からの研究成果の刊行が遅れている。これを機に、もう少し改稿し、特にミシェル・フーコーによる新自由主義分析を検討し、知見の解釈に活かしたい。
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