2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K02049
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
山本 早苗 常葉大学, 社会環境学部, 准教授 (40441175)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シルクロード / ドキュメンタリー / 環境史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地政学的条件により、大きく変貌し続ける中国シルクロード域の開発環境史を明らかにすることを目的としている。環境問題と貧困問題が非常に深刻な甘粛省でのフィールド調査をもとに、史上最大規模の国家開発(西部開発、一帯一路政策)と環境再生事業を通じた地域社会の再編過程を社会学的に解明することを目指している。 本年度は、甘粛省蘭州市でのフィールド調査を実施する予定であったが、新型コロナ感染拡大により、中国への渡航を断念せざるを得なかった。計画していたフィールド調査を代替するために、本年度は、各種統計資料を幅広く収集し、データ整理を中心に行った。これまでは、開発と環境に関する項目に特化していたが、フィールド調査の実施が困難な状況を受けて、収集しうる限り、中国で刊行されている年鑑や統計を網羅的に収集した。 また、中国シルクロード域に関するドキュメンタリーの収集を行うとともに、西部大開発に関する報告書や地域住民による開発の記録・記憶の証言集の収集に努め、ナラティブ分析に向けて準備を進めた。 本年度は、想定していたよりも膨大な資料を収集することができた。次年度に向けて、データ分析のための概念設定や分析枠組みの構築に向けて作業を進めた。ただし、本研究の核となる環境史に関する分析は、次年度も継続的に取り組む予定である。 昨年度、蘭州市におけるツーリズムに関する研究に取り組み、現在、昨年度の研究成果をもとに、論文投稿に向けて、鋭意準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染状況を鑑み、当初計画していた中国でのフィールド調査を断念せざるを得なかったため、研究方法の変更を余儀なくされた。そのため、各種統計資料やドキュメンタリー等の資料収集によって、フィールド調査の不足を補うように努めざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染状況が今後も継続する可能性があることを前提に、中国でのフィールド調査を主体とした研究計画を変更し、各種統計資料の収集・分析を継続するとともに、ドキュメンタリー分析、ナラティブ分析など多様な質的調査法を組み合わせて、研究計画を遂行する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた中国でのフィールド調査が、新型コロナウイルス感染拡大により、すべて中止せざるを得なかったため。
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