2018 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a support system from care survey on single-mother ramily
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18K02053
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Research Institution | Kyoto Kacho University |
Principal Investigator |
流石 智子 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (40132287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 理恵 華頂短期大学, 教養科, 准教授 (30442263)
吉島 紀江 池坊短期大学, 幼児保育学科, 准教授(移行) (30461990)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 母子家庭 / ダブルケア / 介護実態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、母子家庭の介護問題の把握を行い、既存制度、施策の活用状況や課題を明確にし、母子家庭特有の社会的支援のニーズを探ることを研究の目的にしている。介護が必要になることで、転職や引っ越しで生活に変化が起こり、そのため定職に着けず経済的問題を抱える状況に陥る。本年度は、母子家庭、寡婦家庭におけるダブルケアの実態を明らかにするために、母子家庭を対象にアンケート調査を実施した。アンケート用紙作成にあたっては、京都華頂大学、華頂短期大学研究倫理審査委員会において、研究計画の倫理審査を受けた。個人情報の取り扱いや、データ保存については、慎重に対応を行った。調査の対象者は、全国母子寡婦福祉団体協議会に所属している母子家庭の母親、627名に対して実施した。個人情報の観点から各母子団体の支部を経由して、アンケート調査表の配布を行った。回収は、401名(63.95%)から回答をを得た。アンケート調査の項目は、「属性」「生活状況」「老後について」「子育てについて」を大項目に設定した。アンケート結果から介護を行っている母子家庭は、173件(43.1%)であった。母子家庭になってから仕事に変化のあったものは、269(67.1%)であり、そのうち169件(42.1%)は、非正規就労であった。老後への不安の有無について、342件(88.3%)が不安を持っていた。特に不安と感じているものは、老後の資金188件(46.9%)であった。 主成分分析の結果、二成分を抽出し、第1主成分を「総合的な困りごと」、第2主成分を「子育てと介護の困りごと」と命名することができた。子育ての困りごとと介護の困りごとは、そろぞれ違った困りごとであることが明らかになった。この点について、今後研究を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年の4月より、調査項目の検討や研究会を実施し、質問紙の配布準備を行った、10月24日に本大学の倫理審査委員会で、調査内容について審査を受けたのち、この調査を実施した。本調査は、個人情報にかかわることから、全国母子寡婦福祉団体協議会の事務局より、各ブロック支部から、個人への郵送をお願いした。その結果、回収率は高くなった。 調査結果では、627名に郵送し、63.95%(401名)の回収率であり、調査分析をするための有効な回収率となり、調査数としても母子家庭、寡婦家庭の介護と子育てのダブルケアの実態を考察できる件数になった。 調査期間は、2019年2月10日~25日であり、短期間であったにもかかわらず、50%を超える401名の方が調査に参加してくださったことは、全国母子寡婦福祉団体協議会を経由したことが大きな要因と思われる。丁寧に質問にも回答されており、貴重な内容の記載がされている。回収後、2019年2月、3月に入力作業を実施して、数的把握により、母子家庭の介護、子育ての実態をデーター化し、分析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査対象者から、ヒアリング調査を受けてくださると返答のあった方に対して、ヒアリング調査を実施中である。ヒアリング調査の対象者となる方は、ヒアリング可能と回答のあった方で、現在介護を行っている方24名を対象とした。今後は、量的調査で分析したものについて、日本社会福祉学会及び、日本介護福祉学会で発表を行い、公益財団法人、東海ジェンダー研究所「ジェンダー研究」に、投稿予定である。また、本年度は、ヒアリング調査を琢語録にし、分析する予定である。
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