2019 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a support system from care survey on single-mother ramily
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18K02053
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Research Institution | Kyoto Kacho University |
Principal Investigator |
流石 智子 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (40132287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 理恵 華頂短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (30442263)
吉島 紀江 池坊短期大学, 幼児保育学科, 准教授(移行) (30461990)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 母子家庭 / 複数介護 / 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
2019度は、2018年度に全国母子寡婦福祉団体協議会の協力で、行ったアンケート調査についての報告を、日本社会福祉学会(大分大学)にて、ポスター発表を行った。内容は、介護と子育ての困りごとについての特徴差についてである。次に、日本介護福祉学会(静岡県立短期大学)において、口頭発表を行った。内容は、母子家庭になった時の住まい方について発表し、親と同居した人は、子育ての困りごとや疲れがより多く出現したが、同居していない人には、それがみられなかった。介護をすることについての疲れや困りごとは、住まい方による差はなかった。以上のことが明らかとなった。 その内容を含めたアンケート調査の結果分析を中間報告書として冊子をつくり、協力団体に送付した。 2019年度は、2018年度に行ったアンケートで、詳細な実態を明らかにするために、現在介護をおこなっている人、介護は複数であることを条件とし、その条件に当てはまる21名のヒアリング調査を実施した。母子家庭の出現率を考慮し、特に沖縄地区に詳細な調査の必要性を感じ、追加で現状把握のために、グループ調査も実施した。 ヒアリング調査からみえてきたことは、九州地区では、離婚した人は、実家に戻りにくい状況であることや、経済的な面では、日常生活で必要となる軽微な費用の支出や介護をするために親元にいく交通費等、目に見えにくい費用が積み重なっている不満を話す人が顕著であった。現在は、21名の個々の事例分析をしており、個別事例の特徴を大切にした分析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、文献研究は吉島研究員を中心に行った。その結果ダブルケアについての文献は40件であり(「ひとり親」「介護」)キーワードを検索し抽出した結果7件であった。「母子家庭におけるダブルケア」で検索した結果0件であり、この研究は有用性の高いものである。次に、アンケート調査で、母子寡婦福祉団体協議会の協力を得て、627人に調査をすることができている。質問紙調査の項目は、「属性」「生活状況」「老後について」「介護について」「子育てについて」を大項目に設定した。調査対象で最も多かったのは、50代であり母子家庭になった理由としては、離婚が70%という回答である。アンケート調査から得られた知見を、介護福祉学会、社会福祉学会にて発表を行った。2019年度は、アンケート調査から選んだ対象者(21名)の聞き取り調査を終了した。聞き取り調査には、ガイドラインを用い、調査者2名で調査を実施した。ガイドラインは、地域性がわかる項目、介護の実態、子育ての実態、生活環境の実態を把握する内容になっている。さらに、沖縄地域において、グループヒアリングも追加で行っている。また、報告書では、中間報告をまとめ協力機関に送付できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は2019年度に行った聞き取り調査、21件分の分析を行う。1つは、個々の事例からみられる特徴を把握するために大谷氏のSCATを用いて分析する予定である。このSCATとは、小規模データに適用可能な質的データ分析手法である。21の事例に関しては、母子家庭の介護や子育ての特徴、地域性など相違を見つけ出し、その結果から母子家庭特有のニーズに応じた社会的支援のあり方の提案を行う。 今回の聞き取りからは、必要とする情報は、行政から得るのではなく、当事者団体から得るものが多かった。情報は支援を受けるために必要なものであり、情報収集する上で個人差が大きかった。さらに、地域間格差がみられた。今後の研究では、この支援施策の獲得について研究が必要である。 今回の知見については論文で発表するとともに、報告者を作成し関係団体に送付する予定である。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査の交通費。主担の流石の聞き取り調査の範囲が、近畿圏に集中していたため。聞き取り調査は、全国に及ぶが、流石の聞き取り範囲が、大阪、兵庫、京都に集中していたため、交通費を多額に交通費を消費することがなかった。聞き取り調査のデーターは、業者に依頼せず、アルバイトの人に依頼したことによって、謝礼でおさまったことも影響している。 2020年度は、追加調査として、遠方への聞き取りの交通費として使用する見込みである。
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Research Products
(3 results)