2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症介護者における介護ストレスと介護に対する意味付け
Project/Area Number |
18K02064
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小山 明日香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50710670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 衛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20452881)
藤瀬 昇 熊本大学, 保健センター, 教授 (20305014)
松下 正輝 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (30615935)
池田 学 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60284395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 介護負担感 / 介護ストレス / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、来年度の調査に向けて、家族の認知症介護に対する肯定的意味付けに関する先行研究のレビューを行った。先行研究から、近年、介護のストレスや負担感という負の側面のみならず、介護が介護者にとって何らかの意味あるものであると感じられたり、被介護者や他の家族との間に新たな関係性を構築することができるといった肯定的側面を評価することの重要性についての研究が増加していた。肯定的意味付けに関する尺度は、国内外で作成されているが、そのなかで、信頼性妥当性が検証されており海外で広く使用されているものとして、 Tarlowらが開発したPositive Aspects of Caregiving(PAC)がある。PACは9項目からなる簡便な尺度であり、複数の言語への翻訳も行われている。本研究班では、PACの原著者より許可を得て日本語版を作成することとして、現在翻訳・逆翻訳等の準備中である。 また、家族介護者の介護負担感に関してより詳細な検討を行うために、介護者自身の希死念慮についての調査を来年度に実施するにあたり、先行研究のレビューを行い、調査内容を検討した。海外では、介護者における高い希死念慮の有症率が報告されているが、認知症患者の臨床症状との関連について検討した研究はほとんどなく、次年度の調査で明らかにしていきたいと考えている。 その他、当該年度の研究として、認知症の神経心理検査や症候学に関する研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で業務全般に支障が出ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、認知症と診断されている患者家族を対象として、PACおよび希死念慮に関する調査を実施する。取得したデータは、患者の臨床データと照合し、それらとの関連についても検討する。本調査は医療機関での実施を予定しているため、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行状況次第で調査実施が困難となることが懸念される。
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Causes of Carryover |
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で、年度後半に予定していた学会や出張が中止となったため。
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[Journal Article] Cerebral Microbleeds Are Associated with Cerebral Hypoperfusion in Patients with Alzheimer’s Disease2019
Author(s)
Hatada Yutaka, Hashimoto Mamoru, Shiraishi Shinya, Ishikawa Tomohisa, Fukuhara Ryuji, Yuki Seiji, Tanaka Hibiki, Miyagawa Yusuke, Kitajima Mika, Uetani Hiroyuki, Tsunoda Naoko, Koyama Asuka, Ikeda Manabu
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Journal Title
Journal of Alzheimer's Disease
Volume: 71
Pages: 273~280
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 認知症スクリーニングのためのSerial-7課題の実施方法に関する研究2019
Author(s)
小山 明日香, 橋本 衛, 福原 竜治, 石川 智久, 松下 正輝, 高崎 昭博, 勝屋 朗子, 福田 瑛, 井上 麻衣, 吉浦 和宏, 竹林 実
Organizer
第34回日本老年精神医学会
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[Presentation] 意味性認知症と自閉症スペクトラムは似ているのか?PARS思春期・成人期得点を用いた検討2019
Author(s)
佐久田 静, 橋本 衛, 高崎 昭博, 小山 明日香, 福原 竜治, 石川 智久, 宮川 雄介, 日高 洋介, 兼田 桂一郎, 鈴木 真希, 堀田 牧, 欠田 恭輔, 末廣 聖, 池田 学, 竹林 実
Organizer
第115回日本精神神経学会
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[Presentation] 意味性認知症患者の自動車運転中止をめぐる状況と対応に関する一考察2019
Author(s)
高崎 昭博, 橋本 衛, 福原 竜治, 石川 智久, 小山 明日香, 宮川 雄介, 佐久田 静, 本堀 伸, 一美 奈緒子, 堀田 牧, 兼田 桂一郎, 品川 俊一郎, 池田 学, 竹林 実
Organizer
第38回日本認知症学会