2021 Fiscal Year Research-status Report
The harm reduction approach in the East Asia: its influence, adoption and development to the existing social care systems for PUDs (persons who use drugs
Project/Area Number |
18K02068
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
徐 淑子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40304430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (40211718)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薬物使用 / 薬物政策 / ハームリダクション / 翻訳的適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「ハームリダクション(危害低減)」という比較的近年普及した薬物政策・薬物支援のアプローチを取り扱うものである。1980年代ヨーロッパに端を発するハームリダクションが、日本を含む東アジア地域でどのように受容・移入され、既存のケア・システムにどのように影響しているのかについて検討する。結果を、日本を含む東アジアにおける、依存症ケアや薬物対策へのオプションを増やすための議論の活性化に資する。 2021年度は研究計画の4年次に当たる。当該研究課題は、2018年度から3年間で計画されたが、COVID-19流行の影響により2020年度の進捗が滞り、1年間の補助事業期間延長承認を行なった。補助事業期間延長により、2020年2月・3月に予定されていた韓国でのフィールドワークを2021年度中に実施できるよう再調整を行なったが、COVID-19流行の状況および、当方・先方のスケジュール調整が難しく、文献・資料の交換およびオンライン会議による情報収集に手段変更した。韓国における薬物使用者に対する先駆的な試みについて事例を収集した。年度後半では、厚生労働科研エイズ対策研究事業(「地域においてMSMのHIV感染・薬物使用を予防する支援策の研究2」)等との、情報交換を行った。これらの成果を第117回日本精神神経学会学術総会シンポジウムにて発表した。また、研究分担者・池田とともに、現在までに収集した資料・情報を整理し、昨年度から継続して著書執筆の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19流行の影響を受け、2019年度末に予定していた現地調査が中止になったことより進捗に遅れが生じ、2020年度は研究計画の見直し(研究方法・研究体制の変更)を行った。2021年度の補助事業期間延長により、オンラインでの代替手段等を用いてある程度の資料・情報を収集することができた。その一方、薬物使用をめぐる社会的状況にも、ポスト・コロナ/ウィズ・コロナ的変化があり、それを踏まえた情報・枠組みの追加更新が必要となった。そのため、もう1年の補助事業期間再延長の申請を行った。研究期間再延長により、時間的な余裕を確保した上で、成果発表の準備を含めた研究計画の遂行が可能となると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、研究期間の最終年度として、研究成果の発表に重点をおいた計画とする。海外研究協力者と合同での論文執筆・学会発表、執筆中の単著の出版計画を進める予定である。研究代表者の参加する他の研究プロジェクト(厚生労働科研等)との連携・情報交換を引き続き行い、最終成果に統合する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響を受け、現地調査等(旅費や現地研究者への謝金等)の費用として計上していた研究費の執行ができなかったため。コロナ感染症にかかわる研究期間の再延長を行い、2022年度には研究計画を終了させることができる見込みである。
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