2019 Fiscal Year Research-status Report
人口・家族政策論の史的経緯における国際的差異に関する研究
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18K02069
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉田 菜穂 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (90570325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会政策 / 能力開発 / 人的資源 / 人口変動 / 社会保障 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1950年代に国連が提起した社会開発論の受容をめぐる国際的差異をめぐって、特に1950年代終わりから1960年代はじめの状況について考察した。具体的には、社会開発論の国内的普及に関わった重要人物が遺した一次資料の検討と、社会開発論の導入における日本的特徴(他国との差異)についての考察、日本と韓国の社会保障理念の形成の違いについて理解を深めることに多くの時間を使った。その成果として、日本は韓国に比べて社会開発論の導入が早く、政権のキャッチフレーズに用いられたこともあって、1960年代を通して社会開発論が政策論議のなかに急速に浸透したといった特徴があることがわかった。 一次資料の検討を中心に作業を進めたが、国際比較については文献・論文から学ぶだけでなく、社会政策に関心をもつ各分野の専門家との情報交換から多くを学んだ。現在、ブレーメン大学を拠点とする研究プロジェクト「社会政策のグローバル展開のダイナミクス」に関わらせていただいている。それにより得られた気づきを今後の進捗に活かすことで、研究成果に深みを出せるよう努めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に沿って取り組んだ。社会開発論の国内的普及に関わった重要人物が遺した一次資料の検討と、社会開発論の導入における日本的特徴(他国との差異)について考察すること、日本と韓国の社会保障理念の形成の違いについて理解を深めることについての取り組みをある程度進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
人口・家族政策の史的経緯をめぐる国際的な状況を理解するためにふさわしい資料を見つけること、本研究課題の遂行のための十分な研究時間を確保することが課題である。学会や研究会での発表や執筆による成果発表にも力を入れたい。
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Research Products
(4 results)