2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Decision-Making Process and Working Conditions Protection for In-Home Care Workers in Taiwan
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18K02072
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
根岸 忠 高知県立大学, 文化学部, 准教授 (10535777)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 介護労働者 / 外国人 / 法的保護 / 台湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本来は令和2年度で調査を終える予定であったが、新型コロナウイルス感染症による渡航制限を受け、台湾での訪問調査を行うことができなかったため、補助事業期間をさらに延長した。最終年度である今年度は、コロナ禍を経て、居宅介護労働者(その多くは外国人である)が再び増えていることから、同労働者の保護についていかなる政策が行われているのか、また実態はどうなかっているのか訪台し、この点について明らかにすることとした。 具体的には、台北にある、台灣國際勞工協會、台灣外籍工作者發展協會及び台灣人權促進會といった外国人支援組織を訪れ、聞き取り調査を行った。その際には、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴う入国規制によって、来台する居宅介護労働者数は減ったが(同労働者は家庭で就労するため、労働基準法〈勞動基準法〉の適用が除外されることから、労働時間規制を受けることなく就労し、また、最低賃金未満の賃金となる)、よりよい労働条件を求めて失踪する者が増えた。 くわえて、行政院(内閣に相当)は2022年2月「中程度の技術を有する外国人材(外國中階技術人力)」の創設を目的とした「中程度の技術を有する外国人材の雇用を維持するための計画(留用外國中階技術人力計畫)」を策定し、同年4月に施行した。同計画によれば、6年以上在台し、介護等に従事した者が同人材に転換以後、5年経過すれば永住資格申請ができることとなった。こうしたことから、これまで居宅介護労働者を含む単純労働者は台湾に定着させないとの方針を台湾政府が大きく変えたことがわかった。
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Research Products
(4 results)