2020 Fiscal Year Research-status Report
災害ソーシャルワークモデルの構築:被災地ソーシャルワーカーの語りと対話から
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18K02091
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
中尾 賀要子 武庫川女子大学, 教育研究所, 准教授 (90584988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 災害 / ソーシャルワーク / 社会福祉士 / 東日本大震災 / 福島 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、被災地のソーシャルワーカーの語りと対話を通して、長期的視座に立脚した災害ソーシャルワークモデルを構築することである。活動3年目となる2020年度は、東日本大震災の被災地である福島のソーシャルワーカーらを対象に、これまでの活動の振り返りを目的としたグループインタビューを実施する予定だった。しかし、研究者も、またインタビュー対象であったソーシャルワーカーらも新型コロナウイルス対応に追われ、2020年度前期は研究活動の停滞を余儀なくされた。 続けて、2020年夏ないし秋の段階でグループインタビューの実施を模索したが、調査対象らは医療機関や介護施設等に勤務しており、感染拡大予防の観点から対面インタビューの実施に関して慎重論が交わされた。そして国内の感染者数の変化に伴い、現場支援の比重が大きくなったことから、インタビューの延期が現実的となった。 コロナ禍の国内において、特に緊急事態宣言が発令される状況が続く限りは、本研究で着目している対話という形式は、実現の見通しが極めて立ちにくいであろう。そこで2021年1月より、対話を要しない自記式の質問紙調査やオンラインインタビューの実現などを検討しはじめたところである。 コロナ禍の終息に期待をかけるしかないのだが、可能であれば、本研究の最終年度に従来の調査計画であるインタビューの実現を希望している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
理由 新型コロナウイルスの感染拡大により、対面によるインタビューの実施は極めて困難であった。また、現状の感染状況が続く限りは、他の被災地ソーシャルワーカーとの対話に関しても実現の可能性が極めて低く、研究計画の変更を考え出したところである。これらの状況と事情から、本研究の進捗状況は遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、従来の調査計画で予定していた対面インタビューや対話が望めない状況であることから、研究計画の変更を視野に入れ出したところである。まずは、福島のソーシャルワーカーを対象とした自記式の質問紙調査を検討したい。神戸のソーシャルワーカーと広島のソーシャルワーカーとの対話については、福島のソーシャルワーカーを対象とした質問紙調査を終えたのちに、どのように実現できるのか検討する予定である。 現時点では、被災地のソーシャルワーカー同士の対話を実現したいと強く希望するが、研究期間中には状況の好転が望めない場合もあることを承知した上で、各被災地のソーシャルワーカーに対して、研究者個人によるインタビューだけでも実現にこぎつけられたらと考えている。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の実現が極めて困難となったことから、旅費に関する使用が延期となったため、次年度使用額が生じた。この額については、調査の実施が可能となり次第、使用を予定しているが、当面は調査方法の変更に向けた検討において図書や文献等の購入で使用する。
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Research Products
(2 results)