2020 Fiscal Year Research-status Report
A study for practice of "education from the viewpoint of victim"
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18K02097
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
大岡 由佳 武庫川女子大学短期大学部, 心理・人間関係学科, 准教授 (10469364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 有紀子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (60550770)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 被害者 / トラウマ / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目となる今年度は、被害者軸による「犯罪被害者の視点を取り入れた教育」について、海外の視察も行い進めていく予定であったが、COVID-19の影響により、研究の方向性を再調整して研究を遂行した。具体的には以下の通りである。 1.研究2年目に作成をした、犯罪被害者の語りをDVDで収録した映像を、職能団体である日本精神保健福祉士協会の司法精神保健福祉委員会のオンライン研修(N=46)にて上映し、その効果検証を行った。結果として、テキストマイニングによる分析から、犯罪被害者についての視聴者の感想として、「決して時間が解決するということではないこと」「被害体験による終わりのない苦痛が続くということ」「被害者の生きづらさを感じることができた」と要約できた。感情部分では、「恐れ」「悲しみ」といった感情がポジティブな感情よりも上回ることから、生映像の視聴後に、この理解を、どのように被害者の実際の認識につなげ、被害者の対応を行うか、被害者に2次被害を与えないような行動にもっていけるかについて、教育的アプローチを入れていく必要性が浮かび上がった。これは、米国・SAMSHAが掲げるトラウマインフォームドケア概念でいうところの4R(Realize-Recognize-Respond-Resist re-traumatization)のアプローチの流れと合致していた。今後、トラウマインフォームドケアの概念と合流し犯罪被害者の視点を取り入れた教育を進めていくことが重要だと考えられた。 2.犯罪被害者の視点を取り入れた教育に有効とされるトラウマインフォームドケアの概念の普及に向けて、被害者の生の声をどのように取り込むかについての検討を、国内外の研究者と行い、オンラインコンテンツに組み入れていく手筈を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定の海外視察は出来なかったものの、オンラインで国内外の研究者・実践者と対話することで、予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ポストコロナの時代で本研究のテーマを推進していくにあたり、オンライン上の教育媒体の有効性等を検証していく必要がある。様々な機関と連携して、犯罪被害者の視点を取り入れた教育を推進する方策を検討していく。
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Causes of Carryover |
海外渡航による本研究テーマに絡む視察が、現地視察からオンラインによる話し合いに切り替わったため残額が生じている。2021年度には、効果のある新たなオンライン上の教育媒体を作成していくために使用する予定である。
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Research Products
(7 results)