2019 Fiscal Year Research-status Report
A multidisciplinary study for the training of social workers specializing in harassment problems
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18K02103
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中澤 未美子 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (80777300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳広 圭子 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30278452)
坂野 剛崇 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (90735218)
松尾 かずな 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80732677)
和田 尚子 名古屋大学, 国際機構, 特任講師 (70795070)
銭本 隆行 日本医療大学, 保健医療学部, 参事 (20799960)
山口 薫 (桑島) 名城大学, 経営学部, 准教授 (50750569)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハラスメント / ソーシャルワーク / ソーシャルワーカー養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、社会福祉士あるいは精神保健福祉士(本研究では、これら両資格をSWrとする)のハラスメントに関する教育の実情等を明らかにすることである。2019年度は、実績として3つの調査実施がある。 第一は、全国のSWr養成校へのハラスメント教育に関する調査票の配布である。調査対象は一般社団法人ソーシャルワーク教育学校連盟の加入校274校とし、郵送法によるアンケート調査を実施した。回答者は、指定科目に対応する授業(授業名は問わない)を担当している者・担当したことがあるものと指定し67校から回答を得た(回収率24.4%)。 第二は、デンマークへの視察調査である。教育機関およびデンマーク国立労働研究所、労働組合への訪問・ヒアリングをおこなった。ハラスメントや近接概念のいじめの防止対策に関する情報を収集することができた。 第三は、インタビュー調査である。2020年1月から3月までに、5名のインタビューを行った。実際には、3月以降にもインタビューのアポイントメントをしていたが、COVID-19の影響により延期となっている。 2020年3月には厚生労働省からSWR養成カリキュラムの改正が示された。この中で「社会理論と社会システム」(改正後は「社会学と社会システム」。以下、指定科目)には、「想定される教育内容の例」として「ハラスメント」が明記されている。このことから、社会福祉士あるいは精神保健福祉士を養成する際にハラスメントに関する学びが必要とされていることが分かるが、実際に授業でハラスメントがどのように扱われているかは先行研究においても明らかではない。本研究の遂行において一定の水準が明らかとなる予定である。2019年度は上記の他に、既に共同研究者らで2回の研究会を実施した。最終年度である来年度は、更なる分析と考察・提言のまとめを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響により、量的調査の考察を補完する位置づけでもあるインタビュー調査が滞っているが、全体的には当初の計画通り進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進として、具体的には以下3点がある。 第一は、量的調査の結果分析を集学的に考察することである。自由記述の分析も含め、多角的に考察を深めることで、ハラスメント対応に関係するSWr養成への幅広い示唆を得ることができる。 第二に、COVID-19の影響により遅れている対面でのインタビューに関する検討である。状況により対面調査が実施できないのであれば、オンラインでのインタビューで行わざるを得ない。 第三に、文献調査、量的調査、インタビュー調査を統合し、集学的な検討を行い最終報告を完成させる。 なお、研究会において当初計画には想定していなかった教材作成の提示もできたらよいという方針が出たが、時間的な制約もあり、クオリティ点検を含めると実行に困難な点がある。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、対面でのインタビュー調査が滞っている。今後の状況により、オンラインでのインタビュー実施に方針を切り替えざるを得ないかもしれないが、ハラスメントという非常にセンシティブな話題を含むため、できれば対面で信頼関係の構築および倫理的配慮を万全にする観点から、対面での調査を行いたい。 次年度使用額は、上記のとおり遂行が遅れている分に充てる計画である。
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