2020 Fiscal Year Research-status Report
A multidisciplinary study for the training of social workers specializing in harassment problems
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18K02103
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中澤 未美子 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (80777300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳広 圭子 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30278452)
坂野 剛崇 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90735218)
松尾 かずな 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80732677)
和田 尚子 名古屋大学, 国際機構, 特任講師 (70795070)
銭本 隆行 日本医療大学, 保健医療学部, 参事 (20799960)
山口 薫 (桑島) 名城大学, 経営学部, 准教授 (50750569)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハラスメント / ソーシャルワーカー / ソーシャルワーカー養成 / ハラスメント防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ハラスメント問題に適切に対応できるソーシャルワーカー養成について調査するものである。その方法として、文献調査、質問紙調査、インタビュー調査を行い、社会福祉学だけでなく、医学、臨床心理学、文化人類学など様々な研究者が論考している。 2020年度は、研究計画の最終年度であったが新型コロナウイルス流行のため研究活動が阻まれ2021年に総括を延長することとした。以下、この一年間に着手した内容を述べる。
2020年度前半には学校ソーシャルワーク学会にて質的調査の一部を発表する予定であったが、学会自体が1年後に延期され発表の機会を逃した。2020年度後半は、日本社会福祉学会において量的調査の成果の一部を発表するとともに、司法福祉学会にて質的調査の一部を発表した。これらの動きと並行して、文献調査や、専門的知見から昨今のハラスメント報道に関する知見の共有を行っている。 また、調査過程において、ソーシャルワーカーは各種疾病、障害がある者との関りが多い職種であることから、いわゆる社会的弱者(例えば貧困家庭など)の支援に必要とされるソーシャルワーカーの基本的知識と技術に加え、それらが被るハラスメントに関する実情についても検討していく必要があるのではないかという議論が生じた。このことから、予備的ではあるが、今後の研究発展も見据え、稀少疾患患者を対象に生活実態を調査することとし、調査票の配布を行っている。 以上が研究実績の概要となるが、全体として、代表者含め分担者らも、診療や相談現場の仕事がある者が多いことから、新型コロナウィルス関連の対応に追われ、投稿論文については十分に進めることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ハラスメントの授業担当者を対象とした量的調査(郵送による)と、授業担当者への質的調査(interview)の一部の成果発表ができたことは前進であったが、前述した通り新型コロナウイルスの影響により、対面インタビュー調査の難航や研究者らでの対面での参集が行えなかったことは大きな痛手となっている。具体的には、以下3点の困難状況があった。 第一に、調査対象者らの多くが大学教員であるがゆえに、オンライン授業の対応に追われ、interviewを引き受けてもらうことが難しい状況になった。しかしながら、一部の調査対象にはオンラインでのインタビューも実施した。 第二に、旅費がかからないということはオンラインインタビューの大きな利点ではあるが、ハラスメントという繊細な情報を収集するのには対面の雰囲気づくりにより、安心感を持ってもらい始めて話してもらえるという側面があることを再実感した。ハラスメント情報は、時にセンシティブな話にも展開する。この時に、オンライン上のみのやり取りだと制限がかかり、インタビュイーの不慣れさもあり踏み込みに躊躇するなどの場面も生じた。 第三に、オンライン時代のハラスメントなど、新たなる生活様式とともに新しいハラスメントのタイプが目立ち始め、ハラスメントを扱う研究にはスピード感も必要であることを実感する1年であった。しかしながら研究者らが、当初予想し得なかった研究環境に立たされた為、情報のキャッチアップ、整理・分析がほとんど追いつかなかったと判断背せざるを得ない。 まとめると新型コロナウィルスに関する様々な影響か大きく、「遅れている」と判断とした。研究グループにおける議論もzoom等を活用することを検討したが、本研究においてはオンラインMTGは代替手段としての位置づけであることが確認できた。しかしながら、感染防止を徹底する観点から今後もオンラインでの作業を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は研究の総括の年となり、以下のプロセスで終結を予定する。 まず年度前半は、資料の整理と並行し、論文の投稿および模擬授業案の作成に専念する。すでにインタビュー調査のデータを用いた論文の投稿準備が整っている。他、量的調査の論文化も目指す。ハラスメントを扱う授業案の作成は、現在揃っている各種データをもとに、まずは試論で学会発表を行う。文献調査グループは米欧のソーシャルワーカー養成のシラバスを調べているが、これも参考にする。できあがった授業案は、論文化あるいは幅広く使用してもらえるようにホームページなどに掲載することを目指す。授業案作成の分析過程においては、必要に応じてソーシャルワークの識者らに助言を求める。 年度の後半は、本研究の総括として各調査の再確認とまとめを行う。前半の作業スケジュールに余裕ができれば、既に現場に出ているソーシャルワーカーに追加インタビューを実施し、その内容からハラスメントに関する教育について現状の養成課程に足りていないものを示唆したい。
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Causes of Carryover |
前述したとおり、新型コロナウイルスの影響により研究遂行に様々な困難が生じた。まず、出張の制限等で、旅費交通費関連学会の延期に伴う予算消化に当初予定からの大幅な変更が生じた。今後は、研究の総括としてオンライン上での作業及び成果発表に使用予定である。
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Research Products
(7 results)