2019 Fiscal Year Research-status Report
オランダ家族介護負担軽減プロジェクトの日本への導入可能性検討
Project/Area Number |
18K02109
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
田川 佳代子 (沖田佳代子) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (10269095)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | コミュニティ実践 / 地域サロン / M-GTA / 社会福祉協議会 / アクティヴ・シティズンシップ / 支え合い活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
オランダの家族介護者支援プログラムを日本の社会的文脈にどのように適用するか思考し、日本の地域と住民の状況から、直接住民と住民をつなぐ支えあいのプログラムに着手する前に、小地域に住民主体の集いの場をつくり、そこに住民が気軽に集うなかで、気づき、支えあいが生まれる状況を創り出す取組みのレベルから始めることにした。 研究の対象として、地域サロン活動や地域づくりを支援する社会福祉協議会の地域担当職員17名を対象として面接調査を実施し、M-GTAの分析方法を用いて、コミュニティ実践経験の浅い社協職員が地域担当となって地域住民のサロン活動に関わりを持ち始める初期のプロセスを明らかにした。「地域に入る」ことが職務として位置づけられたことが、職員にとってはどのような経験となるのか、その現象について理解することが本研究の焦点となる。地域に出向くことが仕事に位置づけられて間もない時期の社協職員の行動や相互作用のうごきを説明する理論の生成をめざし、8つのカテゴリー、28の概念を生成した。2020年4月末に所属する学会の雑誌に投稿し、査読結果を待つ状態である。 また、その研究を、2020年6月28日から7月1日イタリア・リミニで開催予定であった「ソーシャルワーク教育及び社会開発合同世界会議」のポスター発表に申し込み、審査で承認され、参加登録をしたが、コロナ関係で開催が延期となった。 他方、オランダのアウトリーチ・ガバナンス研究について調べ、「自分でできること」を支援する協働に関して、論文としてとりまとめた。ニューパブリックマネジメントが優勢な福祉制度の文脈に関連する実践を、専門職や行政以外の、あらゆる人々が参加する「生活世界」におけるコミュニティ実践とどう折り合いをつけるのか、課題を整理し検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オランダ調査を予定していたが、国内調査の分析に、多くの時間を費やした結果、海外調査を先に延ばした。国際学会での発表を申請し、審査で承認され、参加登録をしたが、コロナの関係で開催が延期されている。国内調査の取組みから、導き出した新たな課題も視野に、調査の可能性を広げながら、次の段階に進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
オランダ調査と国内調査の準備を進め、機会を見極めて進める。国内調査は、昨年度の調査を踏まえ、地域に参加する住民を対象とした調査を行う予定である。また、オランダの関係者とコンタクトをとり、インタビューの機会をつくる。コロナの状況もみながら、準備を進める。面接を対面でない方法で代替するなど検討する。
|
Causes of Carryover |
オランダの調査を次年度にしたため、海外渡航費、宿泊費、海外調査費、通訳、翻訳費が支出されなかった。また、SWESD2020(イタリア・リミニ)の国際学会ポスター発表のための参加費、渡航費、宿泊費等は、3月に払い込み済であるが、2020年に実施されるため(これは6月28日から7月1日の開催日程であったが延期された)、費用を立て替えている状態である。コロナの関係で、海外渡航の状況は未定だが、そのための予算は計上している。
|