2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Community Care Practices Supporting the Dignity and Well-being of People in an Aging Society
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18K02122
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中村 律子 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (00172461)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス禍 / 高齢者 / マントルゾルフ / コミュニティ・ケア / 認知症ケア / 社会的アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022(令和4)年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により海外渡航禁止が緩和されたことにより、2022年10月18日から26日までネパール・パタン市I地区を訪問し、コミュニティ・ケアに関するインタビュー調査を実施した。また、現地の調査研究協力者、パタン市I地区のデイケアセンター(HDCC)運営者や利用高齢者とのオンライン(Zoom)ミーティングを13回実施した。インタビュー調査ならびにオンライン(Zoom)ミーティングや資料収集の結果、2015年のネパール大震災、2020年以降の新型コロナウイルス禍を経験したことで、地域・近隣関係やケア関係の変化と新たなコミュニティ・ケア実践の再創造が明らかとなった。特に、パタン市I地区のHDCCを中心とした高齢者の日常生活支援、ミサ・プチャ(婦人会)による一人暮らし高齢者宅訪問支援などの実践が、コミュニティと高齢者とを媒介するI地区の女性の存在によって、コミュニティ内では災禍から回復する「レジリエンス」が再創造しつつあることが考察できた。その内容を『法政大学現代福祉研究第23号』に発表した。オランダでの研究は、在宅で生活する認知症高齢者と支援者のケアに関する論文などの資料収集を行った。インタビュー調査協力の内諾を得ているルモント市政策責任者とはオンライン(Zoom)ミーティングを3回実施した。ルモント市による独自の社会的アプローチによる認知症高齢者ケア体制(Sociale Benadering Dementie、Hulp bij Dementie、認知症カフェ、マントルゾルフなど)に関する意見交換を行った。今後の調査研究課題として、認知症を抱える当事者と介護する家族・親族への独自の社会的アプローチに基づく高齢者ケア体制(Sociale Benadering Dementieなど)とその組織化の充実の重要性が明らかとなった。
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