2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K02124
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
森田 久美子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (40308127)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 若者ケアラー / 若年介護者 / 介護者支援 / ヤングケアラー / 成人への移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、プレ調査として、若者支援機関及び若者ケアラーへの聞き取り調査を実施した。その結果、若者支援機関の「若者ケアラー」についての認識やニーズについての理解は十分ではない状況にある一方で、若者支援機関が提供するサービスを利用している若者の中には、家族員のケアをしていると思われる若者が存在していることがわかった。これらの若者は、学習支援や進路相談などのニーズを有していた。また、これらの若者の発見やニーズの把握は、関連機関との連携や、高校など若者が集まる場への出張相談窓口の設置などの工夫により行われていた。若者支援機関は、若者ケアラーの成人への移行を支援することの経験を蓄積しつつあり、若者支援機関を利用する若者ケアラーのニーズを把握するとともに、若者支援機関に蓄積されつつある若者ケアラーの支援の実践知を明らかにし、若者ケアラーの支援に取り組もうとする若者支援機関や支援者がそれらを利用できるようにしてくこと、それらを自治体等が実施する若者支援者向けの研修等で普及できるようにしていくことが課題であることが確認された。 第二に、上記のプレ調査の結果に基づき、若者支援機関を対象とした調査を実施した。調査目的は、若者支援機関における若者ケアラーの支援状況及び、若者ケアラーについての支援者の認識と支援の状況を明らかにすることである。調査対象は、若者支援を行うNPO法人及び若者サポートステーション780箇所に勤務する管理者及び支援者、調査方法は自記式質問紙調査、調査期間は2019年3月~4月である。また、質問項目は、①法人の基本情報、②法人の若者ケアラーへの認識、③支援者の基本情報、④支援する若者の状況と支援内容である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は研究代表者が、サバティカルにより所属する研究機関を離れて他の研究課題にも取り組んでいたため、本研究課題への取り組みが遅くなってしまっている。若者支援機関及び若者ケアラーを対象としたプレ調査を実施した後、研究機関において若者支援機関を対象とした質問紙調査を実施する準備を進め、10月にそれを実施する予定であったが、研究代表者の出校日の確保の困難に伴い準備が遅れ、質問紙調査の実施が3月にずれ込んでしまった。、
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、若者支援機関より返送されてきているアンケートのデータの集計及び分析を行っていく(5~8月)。また、アンケートにおいて協力意志が示された若者支援機関を対象に、ヒアリング調査を行っていく(8~10月)。ヒアリング調査の目的は、若者支援機関が蓄積しつつある、若者ケアラーのニーズに対応した支援及び支援体制、それを発展させるために用いられている支援技術を把握することである。あわせて、介護者支援団体などの若者支援機関以外の機関・団体による若者ケアラー支援の事例についても収集を行っていく。
|
Causes of Carryover |
予定していた質問紙調査の実施が遅れ3月となったため、それに関わる経費の会計処理が未処理となっている。質問紙調査の実施に伴って使用した質問紙の印刷費や郵送料、人件費の会計処理を、平成31年度に行っていく。また、データ入力・集計のための委託を平成31年度に行っていく。
|
Research Products
(2 results)