2023 Fiscal Year Annual Research Report
Support for young carers in transition to adulthood
Project/Area Number |
18K02124
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
森田 久美子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (40308127)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若者ケアラー / ケアを担う若者 / 若者支援機関 / 無業者 / 成人への移行 / 介護者 / 伴走的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで取り組んだ、子ども・若者支援機関の管理者および支援者を対象とした調査からは、子ども・若者支援機関の3~5割が支援機関を現在利用している若者の中に若者ケアラーがいると認識しており、5~7割が若者ケアラーを子ども・若者支援機関の支援対象と認識していると思われた。このことから、子ども・若者総合相談センターや若者サポートステーションなどの若者支援機関は、若者ケアラーの支援においても重要な役割を果たしうる機関であると考えられた。 また、支援する若者ケアラーについて、支援者の4~6割が無業者であり、就職を希望している一方で、3~5割が主たる介護者で、ほぼ毎日家族のケアを行っており、5~6割が精神的ストレスや精神的に不安定な状態にあると認識していると思われた。若者ケアラーの就業希望の実現に向けて、主介護者である若者のケアの負担を軽減することや精神的なケアを行える支援体制を整えることが課題であると考えられた。また、支援者の半数が若者がケアに費やす時間を把握しておらず、若者ケアラーのケア状況のアセスメントに関わる研修が、ケアラーの精神的ケアや就労支援に関する研修と共に、若者ケアラーを支援する人材を育成する際に必要であると考えられた。 また、最終年度は、子ども・若者支援機関の支援者及び若者ケアラーを対象としたインタビュー調査を実施した。支援者のインタビューからは、子ども・若者支援機関が支援を必要としている子ども・若者ケアラーとつながるためには、支援対象者を把握している行政機関の協力が不可欠であること、若者ケアラーのインタビューからは、親が要介護状態になっている場合には、親の主たる介護者としてケアマネージャ―等と折衝をしつつ、親の後ろ盾がない中で自身の就職や離家の活動や、仕事先との折衝に取り組まねばならず疲弊しており、大人への移行に向けた伴走者を必要としていることが明らかとなった。
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