2022 Fiscal Year Research-status Report
中華圏における福祉NGOのネットワーク形成に関する研究
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18K02126
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
横浜 勇樹 関東学院大学, 教育学部, 准教授 (30369615)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子ども家庭福祉 / 児童虐待防止 / 里親 / シンガポール / 宗郷会館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度までの研究期間を延長して研究活動、国際学会への参加をおこなった。フィールドワークを実施する予定であった8月においても、新型コロナウイルス感染症のまん延は収まらず、研究計画どおりに、シンガポールと香港の調査を実施することができなかった。そのため、シンガポールにおける、社会福祉の文献研究を実施することで、次年度の研究の視点を養うこととした。具体的には、シンガポールの児童家庭福祉のNGOに注目した。社会的養護の問題は、児童虐待の防止など各国の共通の課題である。研究の結果、シンガポールにおいては、政府の社会家庭開発省がトップの機関として児童虐待の防止、子どもたちの保護、保護者の支援をおこなっていることが明らかになった。里親制度については、里親ガイドブックを発刊しており、とても見やすく、理解しやすい内容であることがわかった。多文化共生社会のシンガポールであるゆえに、人種、言葉のバリアが存在するなかで、社会的に調和ができるように、里親の研修などもとても充実していることがわかった。 一方、児童虐待防止のためのプログラムは、アメリカやオーストラリアを参考にして、ケースワーカーの専門的な児童虐待防止のためのプログラムを実施していることが明らかになった。わが国においても、多様な人々が生活をしている現在、シンガポールの子ども家庭福祉の取り組みは参考になる点が多かった。 2022年11月にはシンガポールを訪問し、児童家庭福祉のNGOを訪問すると同時に、華人コミュニティの華僑会館を訪問することができた。華僑会館はシンガポールの華人の精神的な支柱として、現在もさまざまな地域福祉活動を展開してることが明らかになった。今後は華僑会館の活動を調査して、コミュニティの福祉事業のあり方とシンガポール人のアイデンティティについて、研究をすすめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も、新型コロナウイルス感染症が拡大したことにより、夏季に実施する予定であったシンガポールと香港のフィールドワークを実施することができなかった。現在は、当該感染症の状況をみながら、再度フィールドワークを実施すべく研究調査の予定を再度検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は当該研究費を再延長して、できる限り、シンガポール、香港での福祉NGOと華僑会館の調査活動を実施する予定である。具体的には、昨年度、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、シンガポールへ2回渡航しており、調査地での担当者と調査活動について打ち合わせを終えたところである。同時に香港のフィールドワークについても、現地の福祉NGOの担当者とオンラインで研究について打ち合わせを実施しており、新型コロナウイルス感染症の状況をみながら、夏季の期間を中心に、具体的な研究活動を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当該研究費を2022年度に延長した。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は2023年度においても収まる気配が見えず、2022年度に実施する予定であったシンガポールと香港に渡航をすることができなかったため、次年度に使用額が生じることとなった。
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