2018 Fiscal Year Research-status Report
非行少年の社会生活の主体的な立て直しに対する援助のあり方に関する研究
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18K02137
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
坂野 剛崇 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (90735218)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 少年犯罪 / 犯罪加害者家族 / 更生支援 / 少年非行 / セルフヘルプ・グループ |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、文献調査及びインタビュー調査を実施した。文献研究の成果としては、少年非行やその支援に関する文献を広くレビューすることができた。特に、少年非行に関する関係機関の支援の実情については、整理することができた。今後は、非行少年の特性や、更生、支援の効果や課題に関する先行研究から、支援の実情と課題を明らかにしていきたいと考えている。 また、インタビュー調査については、かつて非行のあった人について、非行からの離脱の経過について聞き取った。その結果、性格や行動傾向に大きな変化はないが、それらを発揮する対象、コミットする対象が異なってきていることが明らかになった。すなわち、環境が変わることで、非行に至るどうかが大きく影響するこことが判明した。 また、家族に犯罪があった人を対象に実施し、その体験や心情等について聞き取った。特に犯罪加害家族を対象にしたセルフヘルプ・グループに参加している当事者を対象にしたため、セルフヘルプ・グループの意義や課題について焦点を当てた調査を実施した。その結果、犯罪加害者家族に対しては、刑事手続に関する情報提供や、心情面へのサポートといった支援が特に必要なることが明らかになった。また、他の刑事事件関係機関同士の緊密な連携が肝要であることも明らかになった。 今後は、特に非行少年の場合について、同様の調査を実施し、犯罪をした人が未成年者の場合の特有の課題を明らかにし、それを踏まえた支援のあり方を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初どおりに調査を勧められなかったことから、やや遅れていると評価した。 当初の予定では、5人程度にインタビュー調査を実施する予定であったが、予定どおりに調査協力者を確保することができなかった。ただし、調査協力者確保のための協力者はいくつか確保でき、今後の調査協力者の確保は、ある程度見通しをつけることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている調査を確実に行う。 調査協力者を確保できなったところがあり、調査に遅れが生じたが、調査協力者確保のための協力者(団体)はいくつか確保でき、今後の調査は、ある程度見通しをつけることができている。 また、2018年度に実施したインタビュー調査によって得られたデータについては、分析したうえで論文化を目指す予定である。そして、それに基づいて、調査内容を再度精査した上で、より内容の充実したデータ収集を行う予定である。
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Causes of Carryover |
進捗状況に記載したとおり、調査協力者が予定数よりも少なかったこと、特に旅費等を要しない調査があったことで、支出を予定していた旅費、テープ起こし等の支出が不要となり、使用額が少なくなった。 2019年度は、2018年度分の遅れを取り戻せるだけの調査を予定しており、2018年の未使用額についても使用の見込みである。
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Research Products
(8 results)