2020 Fiscal Year Research-status Report
非行少年の社会生活の主体的な立て直しに対する援助のあり方に関する研究
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18K02137
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
坂野 剛崇 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90735218)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 少年非行 / 少年犯罪 / 更生支援 / 犯罪加害者家族 / 少年法 / 非行少年 / 犯罪 / 立ち直り |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、少年非行に関して、より効果的効率的な更生支援のあり方を研究することである。そのために、まず、かつて非行のあった人の、非行後、非行から離脱し、非行のない社会生活を送るようになったことに係る要因と、そのプロセスを明らかにする。そして、そこから、支援の具体的なあり方を研究する。また、同様に、非行を起こした人の家族に対する支援のあり方等を検討する。 これら、非行を起こした本人及び家族がたどった適応的な社会生活を継続するようになるまでのプロセスの検討に基づき、特にその当事者が内在している強みに焦点を当てた更生支援のあり方について研究する。 2020年度は、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査については、未成年のときに非行があった成人、非行行為等があった子どもの保護者、犯罪があった人の家族に対して実施することができた。かつて非行あった人への調査では、非行からの離脱の要因やプロセスを解明する手掛かりを得ることでき、支援のためのヒントを検討することができた。 また、非行行為等のある子どもの保護者については、その心情や変化等の実情を把握することができ、監護者である保護者のサポート等について検討することができた。 また、非行があった未成年者やその親に対するカウンセリング活動、刑事裁判における情状鑑定(心理鑑定)を通して、当事者の実情(犯罪・非行の動機や経緯、背景事情)を把握するとともに、更生に向けた支援の具体的な内容について検討することもできた。 これらについては、一部を学会発表した。また、書籍に論文を掲載することもできた。さらには、2021年度中に論文化を図っているところである。 2021年度は、引き続き調査を継続させてデータを蓄積した上で、より精緻な分析を実施したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定どおりの調査を実施できなかったことから「やや遅れている」と評価した。 当初の予定では、5~10人程度のインタビュー調査を実施する予定であったが、予定どおりに調査協力者を確保することができなかった。 特に新型コロナ感染拡大防止の観点から、インタービュー調査(調査のための出張)が制限され、予定どおりの調査が実施できず、中断した状態にある。 中断した予定については、新型コロナの感染状況によるが、今後、再開させることができる見込みである、また、今後の調査協力者の確保のための協力者は確保できており、今後の調査については、ある程度見通しをつけることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている調査を確実に実施する。 中断している調査を再開するとともに、確保できている調査協力者に依頼し、引き続き調査を続行し、データの蓄積を図る。 また、現在あるデータの分析を行い、研究成果をまとめ、学会発表、論文作成を実施する。
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Causes of Carryover |
捗状況に記載したとおり、調査が予定どおりの進捗に届かなかったこと、特に旅費等を要しない調査があったことで、予定していた旅費及びテープ起こし等データの分析にかかる支出が予定を下回った。 2021年度は、遅れた分の進捗を取り戻す予定であり、2020年度の未使用額についても使用の見込みである。
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Research Products
(13 results)