2020 Fiscal Year Research-status Report
地域に暮らす認知症高齢者の日常生活支援ニーズの可視化と背景要因の検討
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18K02139
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
杉山 美香 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70415503)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 認知機能低下 / 日常生活支援 / 支援ニーズ / 世帯 / 新型コロナウィルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度については、新型コロナウィルス感染症流行に伴う緊急事態宣言の発令等があり予定していた会場調査が中止となった。日常生活支援ニーズに関する追跡調査は2021年度に延期とした。そのため2018年度に実施した調査データを再分析を行い、生活支援ニーズの世帯状況と認知機能低下についての関連に関するインタビューを行い質的に分析した。健常な高齢者のみでなく、心身の機能低下がみられる高齢者においても、家事支援ニーズなど同居家族の有無によって生活支援ニーズの各領域へのニーズに違いがみられた。 また、新型コロナウィルス感染症流行期の自粛生活による高齢者の日常生活の変化に着目した郵送調査を都内A区にて実施した。生活や活動への影響については、生活に不可欠な活動(家事、介護、通院)への影響は小さい一方で、相対的にそれらの活動より必要性が低く、かつ外出や他者との対面・会話をともなう活動については減少する傾向が示された。また不活発な活動であるテレビ視聴、昼寝などは一定程度増加する傾向が示された。心身の機能状態の変化については、外出頻度の減少や閉じこもり、精神的健康の悪化やうつ傾向の増加が顕著に示された。今後、長期的な影響として、生活機能の増悪、身体的・認知的フレイルが増加することが懸念される。今後は新型コロナウィルス感染症流行下においての日常生活支援の在り方についての検討する必要があることが示唆される結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症流行に伴い実施予定であった会場調査が実施ができなかったため研究の進捗が遅れた。特に認知機能が低下した高齢者への生活支援ニーズの研究は社会環境が大きく変化しており、新型コロナウィルス感染症の流行下における支援ニーズについても把握する必要があることから少人数のインタビュー調査及び郵送における調査に切り替えて研究を実施したため、進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまで行ってきたインタビュー調査についての結果を取りまとめる。また、会場調査については新型コロナウィルス感染症流行の状況を判断しながら実施する予定である。また、自粛生活継続下での高齢者の日常生活の変化に着目しながら日常生活支援ニーズについて把握し、支援に結び付けるための方策について検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症流行により予定していた調査が延期になったため次年度使用額が生じた。翌年度は感染症の流行状況を鑑みながら会場調査及び郵送調査、インタビュー調査などを組み合わせて調査を実行する。また、それらの準備を行うための雇用を行う。
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Research Products
(4 results)