2021 Fiscal Year Annual Research Report
Welfare attitudes in Japan, South Korea and Taiwan
Project/Area Number |
18K02142
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
武川 正吾 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40197281)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 福祉意識 / 高福祉高負担 / 信頼 / 福祉国家 / 社会政策 / 選別主義 / 東アジア / 必要原則 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は東アジア諸国・地域における比較福祉レジーム研究の一環である。先行研究では経済発展、人口高齢化、社会支出などの客観指標を扱ったものが多かったが、本研究では主観指標である福祉意識の国際比較分析を目的とする。近年の福祉国家研究で注目される「信頼」変数の効果も確かめた。日本、韓国、台湾で質問紙調査を実施し、サンプルサイズはそれぞれ1200、1200、1333であった。 福祉意識として調査したのは次の支持率である。①高福祉高負担か低負担低福祉か、②選別主義(ミーンズテストあり)か普遍主義か、③必要原則か貢献原則か、④民間部門中心か公共部門中心か、⑤格差の是正は政府の責任か否か。 ①高福祉高負担については、台湾においてこれを支持する割合が顕著に高い。高福祉高負担支持が90.7%に達している。これに対して韓国は57.1%、日本は55.3%であった。②選別主義については、台湾が低めで、韓国と日本が相対的に高めである。選別主義支持が日本は58.5%、韓国は53.9%であるのに対して、台湾は43.1%と半数に満たない。③必要原則については、台湾が、韓国や日本と比べて相対的にやや高めである。必要原則支持が台湾では53.8%、韓国では52.7%、日本では50.2%となっている)。④民営化・民間活用支持については、日本が相対的に高く、次に台湾で、韓国が最も少ない。民間部門中心の支持が日本では31.6%、台湾では23.1%なのに対して、韓国では16.1%である。⑤所得格差是正は政府の責任については、台湾が高めで、韓国がそれに次ぐ割合で、日本は支持する割合が顕著に低い。格差是正が政府責任と考える者の割合が、台湾で78.5%、韓国で73.9%なのに対して、日本は60.3%である。 また 「信頼」変数は社会経済的地位変数を統制しても、高福祉高負担の支持率に有意に高めることが明らかになっていたが、
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