2020 Fiscal Year Research-status Report
Mid-long term community based support for ex-offender with drug problems
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18K02154
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
山野 尚美 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90268748)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / 薬物依存 / 更生保護施設 / 地域生活支援 / social work / drug dependence / ex-offenders / mid-long term program |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現状では具体的な方略が確立していない、薬物依存のある刑務所出所者の地域での安定した生活を支援するために、更生保護施設が拠点となって実施するプログラムの立案を目指すものである。プログラムの開発に向けては、更生保護施設薬物処遇担当職員を対象とする調査、プログラムの対象となる薬物依存のある刑務所出所者を対象とする調査、そして海外における先行事例の収集を行うこととしている。 COVID-19の影響により、当初予定していた計画の変更を余儀なくされたため、まず薬物処遇重点実施更生保護施設の薬物処遇担当職員を対象とするFGI(Focus Group Interview)および質問紙による調査については、COVID-19感染拡大後の更生保護施設における入所から退所後までの対応を含める形での調査内容の再検討を行った。そして、前年度に実施したスイス国内の薬物依存者対象プログラムについて、特にハームリダクション(Harm Reduction)に基づく支援枠組みについての補足的情報収集を踏まえて、刑務所等を出所した薬物依存のある人を対象とする、中長期的地域生活支援プログラムを更生保護施設において実施する上での課題の抽出を行った。これらによって、薬物依存に対して司法と福祉の両側面からアプローチしようとする上で混乱が生じがちな点を明確化した。そして更生保護施設の機能と役割を再確認することによって、同施設において提供しうる地域生活支援プログラムと関連するツールについての試案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響により、当初予定していた調査について変更の必要が生じたが、計画の修正によりプログラムの試案は作成しており、本研究の最終目標である薬物依存のある刑務所出所者に対する中長期的地域生活支援のモデルの提示は可能であると見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した試案に基づいて、薬物処遇重点実施更生保護施設において当該施設の退所者を対象としたプログラムのパイロット実施を行う。更生保護施設の職員および退所者を対象とする質問紙およびFGI調査については、COVID-19感染状況に配慮しながら実施の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
更生保護施設の職員および退所者を対象とする質問紙およびFGI調査について、COVID-19への対応を反映させる必要が生じ、次年度に実施することとなったため。
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