2023 Fiscal Year Annual Research Report
Mid-long term community based support for ex-offender with drug problems
Project/Area Number |
18K02154
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
山野 尚美 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90268748)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | social work / community support / drug offenders / 地域生活支援 / 更生保護施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、薬物依存のある刑務所出所者の地域での安定した生活を支援するために、更生保護施設が拠点となって実施するプログラムの立案を目指して、当初の計画を設定していたが、COVID-19の影響による社会状況の変化を受けてその内容を変更することとなった。 最終年度においては、これまでに進めてきた国内外の文献および資料の収集をさらに続け、研究期間中に収集した全てを対象としたレビューを行った。そして2年目に実施したスイスでの薬物依存のある人への地域での対応についての視察により得られた知見に基づいて、ハームリダクション概念とその実体化の現状について、日本国内での援用の可能性も含めて検討した。また同国における医療用大麻の処方等を始めとする薬物問題への対応を踏まえて、薬物問題を社会がどのように位置づけているのかという点に着目して、薬物依存の回復とその支援の在り方について考察を試みた。 また、更生保護施設職員と利用者を対象とした個別インタビューと質問紙調査を実施し、更生保護施設に期待されている役割とその遂行に必要な基礎的要件について、COVID-19の影響の下での状況も踏まえて検討した。更生保護施設退所後の支援を視野に入れるにあたり、COVID-19による行動制限下において、オンラインミーティングの実施を比較的早期に開始した薬物依存からの回復を目指すピアサポートグループの活動についても情報収集を行った。
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