2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症ケアの階層モデル構造をふまえた介護スタッフのスキルアップ規定要因の検証
Project/Area Number |
18K02155
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 ゆかり 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (20551815)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 介護福祉士 / 介護福祉職員 / スキルアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者が増加する今日、介護福祉士が実践する認知症ケアの質向上が求められている。認知症ケアは、安全保持といった土台となるケアから社会資源活用といったケアまで幅広いが、先行研究ではこれらが横並び一律に扱われていることが課題と言える。そこで今年度は、認知症ケア実践の向上を規定する要因同定に向けた基礎的検討として、介護福祉士が実践する認知症ケア実践の階層性を記述的に確認した。 小規模多機能型居宅介護事業所に勤務する介護福祉士を対象に、認知症ケア実践について、「安全保持」「自己決定の尊重」「社会的交流」等の25項目を用い、実践状況を自己評価により「いつも実践している:3点」~「あまり実践していない:0点」の4件法で調査した。認知症の理解は、「認知症のひとの特徴的な心理・行動」等の15項目について「十分理解している:2点」~「あまり理解していない:0点」の3件法で回答を求めた。 中程度認知症高齢者へのケア実践頻度25項目のデータを用い、通過率を観察した結果、ケアの土台となる安全管理や生活の安定に向けた環境整備は実践頻度が高く、自己決定を支え生きる意欲を支えるケアはおおむね実践されており、社会的交流や地域ケアは他に比べて実践頻度が低い傾向であった。認知症ケア実践が3割程度の介護福祉士は、ケアの土台となる安全管理や生活の安定に向けた環境整備を行っているおり、認知症ケア実践が6割程度の介護福祉士は、上記に加え、社会的交流・家族支援・地域ケアを行っていることが把握された。認知症の理解についての自己評価得点が高まるごとに、認知症ケア実践得点が上昇する傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備調査データ解析結果から、本調査に必要な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本調査を実施し、データを収集する。
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Causes of Carryover |
研究費取得申請当時は、初年度に量的調査を計画し予算化していたが、研究計画提出時に予定を修正し、1年目に文献調査と予備調査解析、2年目に量的調査を実施するよう変更したため、次年度使用額が生じた。今年度助成金と併せ、量的調査の実施、学会へ参加しての情報収集、学会発表・論文投稿準備等を進める予定である。
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Research Products
(1 results)