2018 Fiscal Year Research-status Report
中山間農山村地域における福祉支援者の支援評価指標開発
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18K02157
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
高木 健志 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (40413512)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中山間地域 / 福祉的支援者 / 福祉的課題 / 実践の評価指標開発 / ソーシャルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中山間農山村地域における福祉的課題を明らかにし、そのうえで、中山間地域において活躍する福祉的支援者のための支援評価の指標開発を行っていくことを目的としている。 現代の中山間農山村地域における住民が抱える福祉的課題について明らかにされてくることは少なかった。そのため、中山間農山村地域における福祉に関する展望やその議論においては「フォーマルサービスの社会資源が乏しい」とか「専門家の数が足りない」、もしくは「社会資源が多い市内中心部までの交通手段の確保が困難である・中心部までの距離が遠いことが住民の福祉にとって課題である」といったいわば量的拡大に関する提言が多く見あたってきた。中山間農山村地域であっても、障がいや子育て、貧困といった福祉的課題は起こりうることが考えられる。そこで本研究では、これまでは「社会資源が乏しい」などとされてきた中山間農山村地域における福祉的課題と、その支援に携わる支援者が、どのような支援を行っているのか、といったことを明らかにすることは意義があると位置づけた。さらに、人と人とのつながりが深いと一般的にはいわれている中山間農山村地域において住民が抱える福祉的課題や、その支援を実践するにあたっては、たとえば、その地域に馴染みの深い支援者と薄い支援者とでは、支援の質にムラが出る可能性も考えられる。 このような問題関心から、初年度である本年度は、資料収集と先行研究のレビューを積極的に行い、課題を整理した。また、各地の研究者や社会福祉実践者等とのうち合わせや聞き取りを行うことができた。とりわけ、中山間地域、特に農山村における住民の福祉的課題の実態を把握することが重要であることから、中山間地域、特に農山村における住民の生活構造を行政からの統計資料や聞き取りから把握するなどした。これらの成果とともに、次年度の調査研究に向けた研究に取り組むことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度である本年度においては、資料収集やその整理、また調査に向けた準備を行うこととしていた。これらについては計画通りにすすめることができた。しかし、自治体における調査に関して、資料をもちいた調査実施であったため、やや遅れている、を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、資料調査を中心に実施してきた今年度の進捗をふまえた上で、福祉実践者等、具体的には、農山村で活躍する社会福祉士、精神保健福祉士をはじめとした支援者からの聞き取り調査などを行っていくこととする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由として、調査のうち合わせについて近隣地域で実施できたこと、初年度の聞き取り調査において謝金が生じなかったことなどがあげられる。次年度においては、聞き取り調査を実施していく予定であることから、調査に関して旅費、謝金、業務委託費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)