2019 Fiscal Year Research-status Report
トラウマインフォームドケアの観点による養育者チームと組織の形成方法に関する研究
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18K02170
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 尚子 明治大学, 文学部, 専任教授 (00307977)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トラウマインフォームドケア / レッツコネクトプログラム / 社会的養護 / 里親 / 児童養護施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,児童養護施設や乳児院などの子どもを養育する社会的養護施設や里親家庭において,子ども虐待や不適切養育などによりアタッチメントとトラウマの課題を抱える子どもを共同養育していくために必要な,職員集団および組織のあり方と養育を行う職員集団のチームワークを形成するための介入方法について検討することである。今年度は,コミュニティへのトラウマインフォームどケアを念頭におき,傷つきを抱えた子どもたちを養育するために必要な具体的技術の習得(Let’s Connectプログラム)と,職員集団の形成方法および組織への介入方法について検討を行った。 具体的には,アメリカのコロラド大学Boulder校にResearch Scholarとして赴任し,①トラウマインフォームドケアの実態調査と実践,日本への適用の検討,②アメリカ,コロラド大学Boulder校Institute of Behavioral Scienceが実施しているトラウマインフォームドケアであるLet’s Connectモデルに関する実態調査と介入方法の習得,を行った。Let’s Connectモデルとは,コミュニティを対象としたトラウマインフォームドケアであり,子どもへの具体的なかかわりの技術を習得すると共に,支援者が子どもとの関わりの中で生じる自身の心的状態を内省し,子どもの理解を深め子どもとのつながりを構築,強化することにより,子どものトラウマケアを行っていく点に特徴がある。日本において介入実践を行うために,コロラド大学Institute of Behavioral ScienceにてDr. Fitzgeraldの指導を受けた。またレッツコネクトプログラムの日本版のマニュアルの作成を行い,今後の実践介入の準備を整えると共に,研究挙力施設との実施計画等を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカのコロラド大学Boulder校にResearch Scholarとして赴任し,子どもの治療と養育を目的としたトラウマインフォームドケアである,レッツコネクトプログラムの修得及び日本語版マニュアルの作成,以後の実践に必要な開発者であるDr. Fitzgeraldとの研究協力およびスーパービジョン体制を整えることができた。また,2020年度に介入実践を行う予定の研究協力施設とも実施計画が立てられている。
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Strategy for Future Research Activity |
A新型コロナウィルスに関わるアメリカ赴任先大学の閉鎖等により,3月の予定が変更となったが,2020年7月に再度レッツコネクトプログラムの介入ワークショップを受講し,日本の施設における介入実践計画について開発者のDr. Fitzgeraldと検討する。それを受けて9月より介入実践を行い,その結果をもとに日本における子どもの養育と養育者支援のためのトラウマインフォームドケアについて研究を進める。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定していた国際学会への参加及びワークショップ参加,ヒアリング等の研究実践が,新型コロナウイルスの影響により全て中止となってしまい,実施することができなかったため大幅な繰り越しとなった。
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Research Products
(4 results)