2020 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設における腰痛予防のための労働衛生教育・研修プログラムの開発
Project/Area Number |
18K02175
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
冨田川 智志 滋賀医科大学, 医学部, 特任助手 (90441881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20293821)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 介護保険施設 / 腰痛予防 / ノーリフティングケア / 労働衛生教育 / 研修プログラム / 介護労働者 / 身体負担 / 客観的指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年11~12月に実施した介護労働者の身体負担調査(腰痛予防のための労働衛生教育・研修プログラム(以下、腰痛予防プログラム)の導入前調査)を事例的に分析した。結果、腰部に筋疲労を来たすような長時間持続的な筋負荷がかかっており、急性腰痛のリスクがある強い筋活動も頻出していた。心拍数も長時間高い状態が続いており、特に入浴介助時は高くなっていた。勤務時間中は終始、精神的な緊張状態にあることがうかがわれた。 2020年6~7月、介護職リーダー(以下、リーダー)のスキルアップと新人研修を兼ねた「第2回ノーリフティングケア(以下、NLC)研修会」を開催(当初計画は4月中旬予定であったが、緊急事態宣言の発出を受けて延期)した。講義は非対面式(対象施設の要望により特養はオンライン形式、老健は講義動画DVDを配布)に変更した。実技研修は2019年12月開催の「第1回NLC研修会」を受講したリーダーが企画・運営(研究代表者はアドバイザー)する形で実施した。研修後に実施した質問紙調査では、受講者の研修満足度は高く、研修を通してNLCの基礎知識や重要性が理解でき、技術向上に繋がったとの回答が多く得られた。 同月、腰痛予防プログラムの進捗状況の把握を目的として、リーダーを対象とした質問紙調査(中間評価)を実施した。結果、自身のNLCの理解・技術の向上を自覚していたが、リーダーとしてのNLC推進に向けた取り組み(自主的な指導や業務・環境改善等)には繋がっていなかった。 11~12月、腰痛予防プログラムの効果検証を目的として、上記身体負担調査と同じ介護労働者を対象とした身体負担調査を実施した。また、12月~2021年1月に施設管理者、リーダー、介護労働者を対象としたWeb調査を実施(当初計画は2020年11月予定であったが、対象施設の状況を鑑みて延期。Web調査に変更)した。調査結果は現在解析中。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、2020年11月に腰痛予防プログラムの効果検証を目的として、施設管理者、リーダー、介護労働者を対象とした質問紙調査を実施する予定であった。しかし、COVID-19の蔓延により介護労働現場はより多忙な状況となったため、感染予防と調査対象者の負担軽減の観点から調査方法をWeb調査に変更した。また、調査方法の変更に伴う準備と対象施設の状況を鑑みて、調査期間を2020年12月~2021年1月に延期した。これらの変更に伴って、調査結果の集計作業も当初計画より大幅に遅れることとなり、現在も集計結果の解析中である。 当初計画では、2021年2月に腰痛予防プログラムの効果を報告することを目的とした「NLC報告会」を開催する予定であった。しかし、2021年1月に緊急事態宣言が再発出される状況となり、対象施設も逼迫した状態にあったため、感染予防の観点と対象施設の状況を鑑みて、次年度に延期することとした。それを受け、補助事業期間延長承認申請書を申請した(2021年3月学振承認済み)。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2019年度と2020年度に実施した質問紙調査(Web調査)、身体負担調査の集計結果を分析し、腰痛プログラムの効果を検証する。それらを踏まえ、研究メンバー及び対象施設、各種専門家と腰痛予防プログラムを再検討し、完成させる。 2021年度中に、対象施設に対して対面による「NLC報告会」を開催(対象施設の状況と意向を最優先とし、対面での開催が難しい場合には、3密(密閉、密集、密接)を回避した形でのオンライン形式、あるいは研究メンバーで作成した報告会用DVDの視聴形式に変更)する。 2022年2~3月は、報告書の作成とホームページでの公表を実施する。
|
Causes of Carryover |
当初計画では、学会参加のため国内旅費を計上していたが、COVID-19の蔓延により参加予定学会が全てWeb開催に変更された。そのため、学会参加に伴う旅費支出がなかった。次年度の学会参加に伴う国内旅費を計上するため、次年度使用額が生じた。 当初計画では、2020年度が最終年度であり、本研究の成果物として報告書の作成費とホームページによる公表に伴うホームページ維持管理費を計上していた。しかし、COVID-19の蔓延により研究計画の変更が生じ、事業期間を1年延長した。そのため、当該費用の支出がなかった。次年度に当該費用を計上するため、次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(5 results)