2019 Fiscal Year Research-status Report
Environment-Conscious Lifestyle Evaluation for Residents in the House with Feedforward HVAC System
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18K02185
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60300513)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロバイオーム / 中学校教室 / 室内環境 / 年間調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、環境ライフスタイル評価の指標となり得る「環境マイクロバイオーム(微生物叢)」の調査、分析を行った。今回の調査対象は中学校教室であったが、環境条件や在室状況と環境マイクロバイオームとの関係性が明らかになれば、住宅へも適用できる可能性がある。 2019年を通して10分間隔で環境条件(温湿度、CO2濃度から推測できる換気量)を計測する一方、感冒流行期、感冒流行期明け、冷房稼働期、非空調期の平日、完全下校後である夕方に、1教室あたり3台の机の天板、入口引戸の引手、エアコン吹出しフィンにおけるスワブによる拭き取りサンプリングと、教室内空気のエアポンプによるサンプリングを行った。環境条件のうちCO2濃度は、大部分の時間で基準である1,000ppmを下回っていたが、一時的に3,000ppmを超えることも年間通して発生している。1か月あたり30分以上の時間で4,000ppmを超えたのは1、2、4、8月であり、夏季にも冬季にも高濃度の条件が発生していたことが分かった。 環境マイクロバイオームでは、全サンプルから検出されたOTUが22万、リード数が505万であった。1サンプル当たりのリード数は56~126×10^3の範囲にあり、教室、部位、季節による違いは見られなかった。しかし、1サンプル当たりのリード数比率が0.1%以上のもののOTU数で比べると、夏季よりも冬季が多い(OTUが多様である)傾向が見られた。そして、冬季(感冒流行期)にはMethylobacteriacea、夏季(冷房稼働期)にはStaphylococcusの組成比が、他の季節より全体的に高めであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環境ライフスタイル評価の指標として、当初の研究計画には無かった環境マイクロバイオームの導入を検討し調査に取り組んだため、予定していた研究は結果的に手薄になった。
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Strategy for Future Research Activity |
環境ライフスタイル指数を構築するにあたり、快適性とエネルギー消費量だけではなく、環境マイクロバイオームにより健康の観点も加えた総合評価とするよう、調査結果の分析に重点的に取り組む。
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Causes of Carryover |
2019年度は、入居している大学建物の改修工事により研究室が仮移転したため、フィードフォワード空調制御システムの実験装置の作成を見送ることにした。次年度使用額は、2020年度に研究室を復帰した後、実験装置の作成費用に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)