2020 Fiscal Year Research-status Report
Environment-Conscious Lifestyle Evaluation for Residents in the House with Feedforward HVAC System
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18K02185
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60300513)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 室内環境 / 中学校教室 / 在室行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、在室行動とその結果生じる室内環境の関係について、実態を明らかにするため、中学校3年生の4教室において長期間調査した結果を分析した。学校教室は生活行動が規則的であり、授業などの活動が常に日課表に記録されているため、住宅に比べて居住者の動きが把握しやすい。 2019年1月下旬~2020年4月下旬に10分間隔で連続計測された気温、湿度、CO2濃度、および日課表(すべての授業日について、授業や行事の予定、および修正結果が記されている)から把握できる在室行動(在室または不在)を用いて、冷暖房期間と期間外の教室環境を比較した。CO2濃度の全体の傾向として、生徒が教室に在室する時間帯で高い値を示している日は、生徒が不在の時間帯でも高い値を示すことが多かった。そして、不在にも関わらず1500ppmを越える場合も少なからず見られた。期間全体の平均では、不在に比べて在室の場合は210~550ppm高かった。 冷暖房期間外では、教室の開口部位置の違いによって、CO2濃度の日平均値が学校環境衛生基準である1500ppmを越える日数に、2倍以上の差が見られた。冷房期間では、夏季休業前後に当たる7月下旬および9月上旬において、いずれの教室もCO2濃度の日平均値が1500ppmを超えていた。冷房使用による換気不足と考えられる。暖房期間では、在室の場合にはすべて、CO2濃度が1500ppmを越えた。また湿度の日平均値が他期間よりも10~25%低かった。しかし、学校環境衛生基準の下限である相対湿度30%を下回ることは少なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延により、研究体制が予定通りに整わなかった。しかし、以前から長期的に取り組んできた調査データを転用することにより、本研究の成果とすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
在室行動とその結果生じる室内環境の関係について、さらに詳細な分析を進める。調査データは学校教室を対象としているが、住宅との共通点を用いて、環境ライフスタイル評価の開発に活かす。
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Causes of Carryover |
前年度に入居している大学建物の改修工事により研究室が仮移転し、今年度に研究室は帰還したが、コロナ禍により、フィードフォワード空調制御システムの実験装置の作成に至らなかった。次年度に装置を作成し、研究を完遂する予定である。
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Research Products
(9 results)