2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the new food materials which dose not require a lot of salt to form delicious fish paste and shows antioxidant capability
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18K02195
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
西村 公雄 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (60167567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 宏樹 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (90250505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デキストラン / 筋原線維タンパク質 / 抗酸化能 / 溶解度 / 糖化 / メイラード反応 / 機能改変 / ランダムセントロイド最適化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
メイラード反応を用いることで,低イオン強度溶液に最大限溶解するデキストラン修飾鶏筋原線維タンパク質の調製条件をランダムセントロイド最適化法により検索した。調製因子として温度,相対湿度(RH),反応時間,デキストラン/鶏筋原線維タンパク質(Mfs)重量比とpHを選び,15の調製条件を得,各条件にしたがって,糖化鶏Mfsを調製した。低イオン強度溶液への溶解度を評価とした。その結果,温度53℃,RH65%,反応時間47.93 時間,デキストラン/鶏Mfs重量比 14.4(w/w)及びpH 8.5の時,低イオン強度溶液への最大溶解度56.4 ± 10.0 % を示すことが判明した。この反応中のタンパク質の挙動をSDS-電気泳動法によって調べたところ,ミオシン重鎖の移動度は,時間と伴に減少した。このことは,デキストランが反応中に鶏Mfsに結合していることを示していた。また,最適条件下で調製したデキストラン糖化鶏Mfsのヒドロキシラジカル消去能は,6.3 ± 0.2 μmol没食子酸当量/g of proteinを示した。これらのことより,デキストランによる修飾は抗酸化能や低イオン強度溶液への溶解性を鶏Mfsに付与すると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 数種の糖種からリボース・グルコース・マルトトリオース・デキストランを選択し,また,タンパク質として鶏筋原線維タンパク質を選んで検討を行った。1年目にリボース・グルコースとの検討が,2年目には,マルトトリオースとの検討が,終了しておりすでに学術論文としてpublishした。3年目のデキストランとの検討も終了し,学術論文としてin pressの状態にはある。しかしながら,タンパク質源として鶏筋原線維タンパク質の代わりに11Sグロブリンを用いての検討は,コロナパンデミックによる研究室のロックアウトなどが行われたため,研究に取りかかれず,遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
鶏筋原線維タンパク質を用いて,糖種を代えてのの検討は,ほぼ終了した。そこで,タンパク質源として,11Sグロブリンを用いて,グルコースを糖種として固定し,ランダムセントロイド最適化法を用いて,低イオン強度溶液に可溶で,かつ,抗酸化能を最大限に発揮するグルコース修飾11Sグロブリンの調製条件を検索する。さらに,得られた糖化11Sグロブリンの乳化活性や乳化安定性を調べ,nativeな11Sグロブリンのものと比べる。抗酸化能を有し,さらに乳化特性が優れた食品乳化剤の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による施設のロックアウトにより,研究が中断されたため。また,施設使用が出来るようになっても,時間制限などの制約が生じ,予定通り研究を進めることが出来なかったため予算に猶予が生じた。
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Research Products
(2 results)