2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the new food materials which dose not require a lot of salt to form delicious fish paste and shows antioxidant capability
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18K02195
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
西村 公雄 同志社女子大学, 生活科学部, 特任教授 (60167567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 宏樹 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (90250505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大豆11Sグロブリン / グルコース / メイラード反応 / 抗酸化能 / 乳化特性 / ランダムセントロイド最適化法 / 酸化防止剤 / 糖化 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳化特性を備えている大豆11Sグロブリンを用いて,抗酸化能を持つ乳化剤の開発を試みた。ランダムセントロイド最適化法を用いてヒドロキシルラジカル(・OH) に対する最大抗酸化能を示す糖化大豆11Sグロブリンの調製条件を検索した。その結果,温度70℃,RH 45%,反応時間47.92時間,大豆11Sグロブリンに対するグルコースの重量比10.66 (w/w) の条件を得た。最適糖化大豆11Sグロブリンの・OH消去活性能は,63.4 ± 4.8 μmol没食子酸当量/g of proteinであった。また,最適糖化および糖の非存在下でインキュベートした(糖未修飾)大豆11Sグロブリンを用いて調製した水中油滴型エマルションの平均粒子径はそれぞれ1.68 ± 0.11および 1.81 ± 0.18 μm(n=3) であった。一方,ネイティブな大豆11Sグロブリンのものは,2.36 ± 0.42 μm (n=3) であった。最適糖化および糖未修飾大豆11Sグロブリンの乳化安定性は,ネイティブのものよりも優れており,4週間後でも明らかな分離は見られなかった。また,最適糖化大豆11Sグロブリンを乳化剤として用いた場合, 3日目にネイティブなものと比べて有意 (p < 0.01) に油の酸化を抑えたが,5日目と7日目にはその効果が消失した。しかし,最適糖化大豆11Sグロブリンを添加物として使用した(終濃度約0.3%)時,油の酸化は3日目と5日目に有意 (p < 0.01) に抑制された。以上のことから,得られた最適糖化大豆11Sグロブリンは,抗酸化能を保持した乳化剤としては不十分であるが,酸化防止剤としては実用可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数種の糖種からリボース・グルコース・マルトトリオース・デキストランを選択し,また,タンパク質として鶏筋原線維タンパク質を選んで検討を行った。1年目にリボース・グルコースとの検討が,2年目には,マルトトリオースとの検討を行った。しかしながら,3-4年目にかけての、デキストリンを用いての検討およびタンパク質として大豆11Sグロブリンを用いた検討は,コロナパンデミックによる研究室のロックアウトなどにより大きく遅れた。従って,小豆11Sグロブリンなどの他のタンパク質を用いての関する検討は,緒に就いたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
小豆11Sグロブリンを調製し,ランダムセントロイド最適化法を用いて・OH に対する最大抗酸化能を示す糖化小豆11Sグロブリンの調製条件を検索する。得られた糖化小豆11Sグロブリンの乳化特性,油に対する抗酸化能を調べることで,抗酸化能をもつ乳化剤として使用できるかどうか検討する。
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Causes of Carryover |
パンデミックのために,大学施設が封鎖され,4年で計画していた研究が,中断のやむなきに至った。そのため,計画していた研究の約3/4ほどしか行えなかったので,その分予算を使い切れなかったため。 932,147円は,最後の仕事としてあらかじめ計画していた小豆11Sグロブリンの糖化による機能改変にあて,抗酸化能を持った乳化剤の開発あるいは,天然由来の酸化防止剤の開発を行う。
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Research Products
(5 results)