2018 Fiscal Year Research-status Report
ゴマの機能性成分の吸収率とそれに及ぼす調理加工の影響
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18K02199
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Research Institution | College of Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
阪野 朋子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (50632668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 彩子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80308808)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゴマリグナン / セサミン / セサモリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ゴマリグナンの体内動態と調理加工による影響を調べることを目的とした。研究1年目の本年はゴマリグナンの種類による吸収率を調べる動物実験を行う予定であった。しかし、機器の不調や設置場所の変更などがあったため、予定通りに進まなかった。研究計画の順序を変更し、まず生体内と食品中のゴマリグナン濃度の測定条件の設定を行った。設定した測定条件で、ゴマを調理加工した場合のゴマリグナン量を測定した。日常の生活を想定し、ゴマ種子を加熱(ゆで調理、揚げ調理)した場合のゴマリグナン量を測定した。 実験1.ゆで調理の影響:ゴマを10倍容の沸騰水中で10分または30分加熱後、乾燥させ測定した。その結果、セサミン、セサモリン共に加熱無しに比べてゆで加熱で減少したが、ゆで時間による差は見られなかった。 実験2.揚げ調理の影響:ゴマを160℃、180℃、200℃に熱したキャノーラ油で5分または10分加熱した。加熱後冷却し測定に用いた。温度が高温、加熱時間が長いほど、ゴマの着色がみられた。セサミンは、180℃10分、200℃10分加熱で減少し、セサモリンは160℃、180℃の10分、200℃の5分および10分で減少した。保存による大きな変化は認められなかった。 また、調理加工後の保存は、セサミンおよびセサモリン量に影響しないことが示された。 次年度以降、ゴマリグナンの生体内の利用性を検討していくために、体内への吸収率や体内動態についての実験を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析機器の不調が続いたため、測定条件の設定に時間を要した。そこで、研究計画の順序を変更し、まず生体内と食品中のゴマリグナン濃度の測定条件の設定を行った。今年度は、貴重な生体試料ではなく、繰り返し測定しやすいゴマ調理加工品のゴマリグナン量を測定することとし、実験を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究により、生体中のゴマリグナン量を測定する条件を設定することができたため、今後は当初の目的であるゴマリグナンの生体内利用率を調べる実験を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の使用額が生じた理由は、今年度の研究計画がやや遅れたため、使用する予定であった実験動物や試薬などを購入しなかったことが挙げられる。しかし、次年度以降、すぐに実験を進められる状況にあるため、次年度分として請求した助成金と合わせて、遅れた実験と次年度予定する研究に必要な物品等に使用する予定である。
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