2019 Fiscal Year Research-status Report
食品中の花粉・食物アレルギー症候群のアレルゲン分析法を開発し、児童の発症を防ぐ
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18K02200
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
吉光 真人 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (70321940)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PFS / PR-10 family / LC-MS/MS / LC-Q/TOFMS / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に、6種類の食品、リンゴ、イチゴ、モモ、セロリ、ニンジン、大豆のPR10 family分析条件を確立した。今年度は、この条件の有用性を確認するために、実際に複数種類の食品を分析した。 セロリ、ニンジン、大豆については食品中に十分な量のPR10 familyが存在し、抽出、定量が可能であった。セロリについては、アレルゲンとして登録されている2種類のバリアントに対する分析法を確立し、現在、論文作成中である。ニンジンについても分析条件を最適化し、分析法確立のためのデータを収集中である。既に分析法確立済みの大豆と合わせて、食品に含まれる、3種類のPR10 familyの一斉分析法を確立できると考えられる。 一方、リンゴ、イチゴ、モモの果物類の分析では、感度の良好なペプチドや分析条件を選択したが、PR10 family濃度はかなり低いことが判明した。これらの果物類は総タンパク濃度が低いことが原因として考えられた。また、測定対象以外の果物も含め、PR10 familyのアミノ酸配列の相同性が高く、特定の果物のみを特異的に検出するペプチドがほとんどみられなかった。以上から、MSでの果物類の判別は困難と考え、PCRでの判別を検討したところ、適用可能と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度までにPR10 familyの前処理法および一斉分析法の確立を終えている予定であったが、果物類の分析において、検出感度や特異性の向上について、検討時間を長く必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点の状況で分析法を確立できると考えられるPR10 familyについて、優先して前処理法および分析法を確立する。確立した手法を用いて、食品中のPR10 familyの実態調査を実施し、結果を速やかに学会、論文等で発表する。併行して、未実施の検討項目について研究を進める。
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Causes of Carryover |
果物類の分析検討に時間がかかったため、他の検討に使用する予定の予算が執行できなかった。今年度、予定している検討および未検討項目を速やかに実施することで、予算を適正に執行する。
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