2018 Fiscal Year Research-status Report
不凍タンパク質を利用した生鮮野菜類の新規冷凍保存法の開発
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18K02213
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
安藤 真美 大阪樟蔭女子大学, 健康栄養学部, 教授 (50234183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 不凍たんぱく質 / 野菜 / 冷凍 |
Outline of Annual Research Achievements |
氷結晶の成長を抑制する不凍タンパク質(AFP)を利用し、生鮮野菜類の新しい凍結保存方法の開発をめざす事を目的とした。 一部の野菜においてAFP区は蒸留水区よりも重量残存率が有意に高く、浸漬時間が長いほど顕著だった。これは、AFPにより細胞のダメージを防ぎ、水分流出が少なくなったと考えられた。 色差の結果から、a値・b値において、AFP区も蒸留水区も浸漬時間が長くなると生やコントロールの値に近づき、特にa値においては、AFP区が浸漬24時間で生との有意差は認められなかった。AFPによって色調が保たれたためと考えられた。 SEMの結果から、浸漬24時間でも生と同等の細胞の大きさであった。AFPが氷結晶に結合し、粗大化が抑えられ、細胞のダメージを防ぐことができたと考えられた。 タンパク質構成アミノ酸の結果から、AFP標品にAlaが最も多く含まれていることが分かり、AFP区では、浸漬時間の延長と共に経時的にAlaの含有量が増加した。Ala量が経時的に増加したことで試料に浸透したAFP量も増加したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AFPの効果は一部の野菜に対してのみであり、効果があった野菜に関しても生鮮野菜と比較すると状態が安定していない。本研究1年目に多様な条件を検討すべきであった。
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Strategy for Future Research Activity |
AFPの効果は一部の野菜に対してのみ得られたが、普遍性を得るために、使用するAFP濃度の検討、野菜の切り方などを、効果的な浸透方法や試料の種類の検討も進めていく必要がある。
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Causes of Carryover |
研究計画に従って予算執行したが、消耗品の使用量が予定よりも少なかったため。
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