2021 Fiscal Year Research-status Report
不凍タンパク質を利用した生鮮野菜類の新規冷凍保存法の開発
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18K02213
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
安藤 真美 摂南大学, 農学部, 教授 (50234183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不凍タンパク質 / 野菜 / 冷凍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな目標である「不凍タンパク質をいかに野菜の内部に導入するか」に関して引き続き検討した。市販の不凍タンパク質は分子量が6700~32000であり,不凍タンパク質水溶液に野菜を漬け込んだだけでは,細胞壁を通過して内部まで浸透させるのは難しい。検討すべき方法として①細胞壁に微小な傷をつける②浸透圧を高めて不凍タンパク質を浸透させる③不凍タンパク質を低分子化して浸透性を上げるの3つの方法を予定した。今年度も昨年度同様③について主に検討した。 不凍タンパク質にプロテアーゼを作用させて低分子化し,浸透しやすい状態にしてからその浸透や耐凍性の程度を評価した。タンパク質の分解程度をSDS-PAGEにより確認した。各種野菜類への効果の評価は、外観,ドリップ量および一般成分量の測定を行った。プロテアーゼの種類、量、反応条件(時間・温度)を変化させて、最も効果的な条件を模索したが、不凍たんぱく質の低分子化が進みすぎると耐凍性の機能が低下したため、分解の程度の精密なコントロールに時間を要した。野菜の種類によってはある程度の効果が期待できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍により研究体制を整えることがやや困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「不凍タンパク質をいかに野菜の内部に導入するか」について検討を重ねる予定である。効果が認められた野菜については顕微鏡による組織観察・微量栄養素分析・機能性測定により品質評価する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において研究の進捗が芳しくなかった。今年度もコロナ禍であることは変わりがないが、前年度において得られた改善点を意識して予算を有効利用していきたい。
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