2019 Fiscal Year Research-status Report
Social and Economic Implications of Infertility
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18K02221
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
伊藤 ゆかり 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究戦略センター, 主任研究員 (90399618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 貴 京都産業大学, 国際関係学部, 教授 (00456956)
樺山 舞 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50635498)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的不妊 / 子どものいない夫婦 / 労働状況 / キャリア形成 / 家族政策 / リプロダクティブヘルス / 不妊治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
不妊の労働と健康に対する社会経済的影響の検証をすることは、今後の少子化対策を考える上で鍵となるのではないかという研究課題の学術的な問いに対して、当初の研究目的を変更した。当初計画では、研究目的を不妊治療経験女性の健康と労働への社会経済的影響の検証としていたが、子どもを持っていない20代から40代の夫婦の被験者にし、挙児希望・労働状況・不妊治療歴等をたずねることで、子供を欲しいと思っていても労働や社会環境が整わない状況を背景に、結婚・出産を先送りにした結果年齢的に妊娠しにくく不妊になる社会的不妊と不妊治療と仕事の両立に悩む不妊退職が起こっている状況の検証を試みることとした。 研究代表者の所属先は研究倫理審査委員会の機能を持っておらず、3機関の一括審査を行うことができる研究倫理委員会を持つ外部機関は全国でも限られているため、研究倫理審査業務を依頼できる機関を探すことに4か月かかった。共同研究者の樺山先生の所属する大阪大学医学部附属病院で実施が可能であることが分かったため、2019年12月に大阪大学医学部附属病院の観察研究倫理審査委員会へ、大阪大学医学部申請(樺山先生)とその他機関申請(研究代表者と三田先生)の3機関の一括審査にて、研究の実施の可否について申請を行った。 2020年2月に大阪大学医学部附属病院の承認が得られたため、同月にインターネット調査会社の協力を得て、2020年2月の第3~4週にかけて調査を実施した。対象者条件を20~49歳の男女で居住地は全国として設定し、結婚しているが子どものいないサンプルを第一段階で5,000抽出し、抽出された被験者に対して調査を実施し、20代、30代、40代の男女各250ずつ、計1,500の有効標本を第二段階で抽出し、個人を識別できる情報を取り除いた匿名加工データを入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子どものいない夫婦の健康と労働への社会経済的影響の検証を行うため、子どものいない20~49歳の既婚男女に対して、不妊治療の実施状況も含めた調査項目を用いて、健康と労働の社会経済的状況の検証をすることへ研究目的を変更した。質問項目の中には、不妊治療の治療経験を聞いているため、不妊治療を経験して不妊治療に対してネガティブなイメージを持っている人とっては、質問に答えることが心理的負担になる可能性があり、不妊治療の質問を答えたことによって、心理的負担を感じる可能性があったため、研究倫理審査委員会に研究計画について承認を得る必要があった。 研究代表者は4月から所属先が変わったが、異動先では研究倫理審査委員会の機能を持っていなかった。研究倫理審査の外部委託を受け入れていて、複数機関の一括審査ができる機能を持つ組織を探すことに4か月以上時間がかかった。 2020年1月から新型コロナウイルスの状況が関西においても深刻になりつつあったため、2月に研究倫理審査委員会の承認が下りたため、急遽2月に調査を実施することとした。3月の第二週以降は調査会社のオフィスが入っているビルで罹患者が出たため、インターネット調査会社の関西オフィスは閉鎖となった。予算の関係から、調査を来年度に遅らせようと考えていたが、結果的に調査を年度内に早めたことで、無事に調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画では現地調査を予定していたが、新型コロナウイルスの影響も考慮して、延期して実施、または縮小する等で計画の変更する予定である。 新型コロナウイルスによって、都市のロックダウンや渡航制限が生じており、国内外の学会のスケジュールも変更が生じている。2020年夏に国際学会での研究発表を予定していたが、学会の開催日時が1年延期となった。研究発表や国際ジャーナルへの投稿スケジュールを柔軟に変更することで、今後の研究を滞りなく遂行していく。
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Causes of Carryover |
国際学会の発表時期とフィールド調査を次年度以降へ延期したため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(7 results)