2023 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the effects of novel n-3 polyunsaturated fatty acid-containing edible vegetable oils on lifestyle-related diseases
Project/Area Number |
18K02227
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内藤 由紀子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80426428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 直樹 金城学院大学, 薬学部, 教授 (20426422) [Withdrawn]
大西 浩之 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (90523316) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / n-3系多価不飽和脂肪酸 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
αリノレン酸含有食用植物油であるサチャインチオイル(sacha inchi oil、SIO)が、生活習慣病の予防・進展抑制効果および安全性を有するか否かを明らかにすることを目的とし、本研究では生活習慣病モデル動物にSIOを摂取させ、疾患発症および進行に対する影響について薬理学的および生化学的手法を用いて機能性解析を行った。 ob/obマウスおよび高脂肪食誘導肥満モデルマウスを用いてSIOを摂取させる実験を行った結果、白色脂肪重量の増加抑制、肝臓の脂質代謝関連遺伝子の発現の変化のほか、中性脂肪レベルの上昇抑制、肝機能の指標となる酵素レベルの低下が認められた。 SIO脂肪酸組成およびトコフェロール含有量測定を行った。最も多い脂肪酸はα-リノレン酸(約52%)であった。また、γおよびδトコフェロールが含まれていることおよびSIOと同様にリノレン酸を多く含有する亜麻仁油やエゴマ油(比較油)よりもトコフェロール量が多いことがわかった。SIOはn-3系多価不飽和脂肪酸を豊富に含有することによる作用に加えて、トコフェロールによる有効作用も期待できる可能性が示唆された。 そこで、SIOの抗酸化能を測定したところ、SIOは、比較油の約2倍の抗酸化能を有することが明らかとなった。この抗酸化能によって加熱による劣化を抑制するか否かを調べた。加熱(180度5日間)後による劣化の指標として、酸価およびTBA値を用いた。SIOの酸価の値は、対照油の亜麻仁油およびエゴマ油の約1/10~1/3を示したことから、劣化が抑制されたことがわかった。またTBA値も同様の結果であった。 以上の結果から、SIOの摂取は生活習慣病の進行予防作用を有することが明らかとなった。また、SIOと同様にリノレン酸を多く含有する亜麻仁油とエゴマ油と比較して、加熱による劣化が低いため、日常の食生活に取り入れやすい食用油であることもわかった。
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Research Products
(5 results)