2020 Fiscal Year Research-status Report
肌トラブル回避を目指した肌にやさしい低刺激口拭き用素材と適切な清拭法の提案
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18K02230
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
松梨 久仁子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (20184244)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 清拭 / 肌トラブル / 摩擦刺激 / 摩擦力 / 押圧力 / 圧縮特性 / 汚れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020度に実施する予定だった拭き取りに関する官能検査は、新型コロナ感染予防のため行うことができなかった。そのため、2020年度は汚れの拭き取り実験を中心に行い、汚れの拭き取りやすさおよび摩擦力・押圧力と清拭布の物理特性の関係を中心に検討した。 試料は2019年度と同じものを用いた。2020年度は、より実際の清拭条件に近づけるため人工皮膚上に汚れ(トマトケチャップ)を付着させて「乳幼児の口周りに付着した汚れを拭き取る」という想定で、汚れを拭き取る際に被清拭者側にかかる刺激について触感フォースプレートを用いて測定した。 汚れの拭き取り実験において、いずれの清拭者も湿潤状態の試布の方が汚れを拭き取りやすいと感じていることがわかった。 通常、顔に付着した汚れに拭き取りを行う際には清拭素材を何回か折りたたんで使用することが多い。そこで、試料を8枚重ねにした状態で圧縮特性を測定した。LC(圧縮剛性)、WC(圧縮仕事量)、T0(標準状態での布の厚み)、TM(50g荷重時の布の厚み)と、汚れを拭き取る際に生じる摩擦力と押圧力の最大値との関係を検討したところ、皮膚への刺激となる摩擦力と押圧力ともに、布の乾湿状態に関わらず、布の厚みと膨らみが小さく指で押す力に対する変形が大きい素材ほど小さくなる傾向が認められた。このことから、清拭者の加えた力が伝わりやすい清拭素材ほど被清拭者側にかかる負担が少なくなることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの影響で大学に入構できない期間があったため、実験に着手するのが大幅に遅れた。 また、2020年度はふき取りに関する官能検査を中心に研究を進める予定であったが、このような状況下で被験者を使った実験が不可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年に行うことができなかったふき取りに関する官能検査を行う。当初は被験者数は20名以上を予定していたが、多くの被検者を集めることは困難であると考え、5~10名程度の被検者とする。 官能検査の結果から、ふき取り刺激の少ない素材の特性を明らかにするとともに、どのような拭き取り動作が良いのかについても併せて検討を行う。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナの影響で被験者を伴う官能検査実験ができなかったため、残額が生じた。 次年度も官能検査の実行は難しいかもしれないが、当初予定していた被験者数20名を大幅に減らし、5~10名程度の被験者を対象に官能検査を行う。
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