2019 Fiscal Year Research-status Report
移動型遊び場(モバイル・プレイ)による子どもの外遊びの推進と都市公園の利活用
Project/Area Number |
18K02232
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
梶木 典子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00368490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 移動型遊び場 / モバイルプレイ / 冒険遊び場 / 遊び / 子ども / 都市公園 / プレイワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツの移動型遊び場を実践している専門家が日本を訪問し、冒険遊び場の実態、子どもの生活の現状、課題解決に対するさまざまな取り組みについて視察をしたうえで、意見交換を行った。ドイツの専門家からは、子どもが主体的に自由に遊ぶということは、非常に重要なことであるが故に、日本の冒険遊び場づくり活動が、行政による資金的保障がなされている団体と、行政の支援が限定的であるが故に資金的に不安定なところがあることは、非常に憂慮すべき点であると指摘された。活動団体からは、地方自治体に対して働きかけることは当然であるが、国レベルまで政策提言するために、活動団体が連携し、中間支援組織と共に行動していくことが示唆された。 訪独した際には、ミュンヘン市内の都市公園の整備方針とその現状やと子どもの自由な遊びを保障する遊び場づくり・遊具づくりに関する視点について知見を得ることができた。公園が持つ可能性を引き出す手法や、文化活動と公園の関わりなど、日本の公園づくり・遊具づくりに取り入れることができる手法に関して知見を得ることができた。 世界各国から集まるプレイワーカーやドイツの移動型遊び場の実践者が集まるプレイバス会議では、子どもの遊ぶ権利を尊重し、危機的状況にある子どもたちに遊びを届けるためには、移動型の遊び場づくりがアウトリーチな活動として有用であることが示唆された。プレイバスの運営方法や、そこに積み込む多様な素材のあり方、行政との役割分担・関係性、企業との連携など、子どもの自由な遊びを推進するために大人が実践する様々な手法について知見を得た。さらに大人の継続教育のための研修施設を訪れ、放課後の青少年事業に関わるスタッフの研修システムについて理解を深め「シュピール・カルチュラル・ペタゴーゲ=遊び教育専門士」という新たな概念に取り組むドイツの研修システムについて知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、ドイツの移動型遊び場や冒険遊び場、都市公園に関わる行政の専門家を招き、日本の冒険遊び場づくりについて現場を訪れ、様々な体験・意見交換をすることにより、日本の現状について認識を深めてもらい、課題について意見交換ができた。 ドイツ団の訪日に際し、関東・東北の冒険遊び場団体との現状把握などの事前協議のなかで、現地の冒険遊び場の現状についてより理解を深めることができた。また、ドイツ団が各地を訪問することにより、各地の行政の首長と面談することができ、子どもの遊び場づくりの施策について、積極的に進めている自治体の事例を収集することができた。これは、ドイツ団の訪日により実現したことである。 また、ドイツ(ミュンヘン・レムシャイド)を訪れ、プレイワーカーの養成システムや移動型遊び場の実践、ミュンヘン市内の都市公園における子どもの遊びの実態について広く情報を得ることができた。。特に、ミュンヘン市内の都市公園を巡り、様々な公園整備の手法や、住宅整備と公園整備のあり方、実際の子どもの遊ぶ様子を実際に視察することにより、日本の公園整備やの遊具整備にも取り入れることができる知見を得ることができた。 さらに、2月には、これらの成果の報告会を神戸(神戸女子大学三宮キャンパス)で開催することができ、研究者をはじめ、自治体職員、冒険遊び場・保育所・学童保育等の子どもの遊びに関わる実践者に向けて、研究成果を広く伝えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、ドイツから再度、専門家を招いて関西の冒険遊び場づくりを紹介するとともに、日本の外遊び政策についてドイツから知見を得て、推進することと計画していたが、コロナウィルス感染拡大により、国際交流が難しい状況となっている。 研究計画を一部変更しつつ、さらに1年延期を視野に入れて、研究を推進していくこととする。 また、日本国内の移動型遊び場の取り組み、冒険遊び場づくり活動の取り組みについて、現状把握を推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として7,553円としたが、これは2019年度に使用しなかった端数額であり、次年度に有効に使用することとした。
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Research Products
(1 results)