2021 Fiscal Year Research-status Report
移動型遊び場(モバイル・プレイ)による子どもの外遊びの推進と都市公園の利活用
Project/Area Number |
18K02232
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
梶木 典子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00368490)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 移動型遊び場 / プレーカー / モバイルプレイ / 冒険遊び場 / 遊び / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
日本におけるプレーカーを用いた遊び場づくりの既往研究はなく、詳細な実態については明らかになっていない。そこで2021年度は、日本国内で活動中の冒険遊び場づくり団体のうち、プレーカー事業を行う団体を対象に、その活動実態を把握することを目的とした。 本調査は、「プレーカー」を用いた活動をする10団体を対象とし、2021年10月にリモートで2時間程度のヒアリング調査を実施。調査内容は、プレーカーの活動場所・活動頻度・活動内容、活動場所の特徴、プレーカーの準備方法、スタッフ、広報活動、子どもへの接し方で気を付けていること、保護者・地域の人との関わり方等である。 プレーカー事業をしている団体は、拠点となる常設の冒険遊び場を有している場合が多い。プレーカー事業開始の経緯は、「自然災害の復興支援を目的とする団体」と「遊び場空白地域への遊び場づくり支援を目的とする団体」に大きく分類できることがわかった。後者の場合、同じ自治体内において遊び場(児童館等)の空白地域があり、その地域にたいしてプレーカーで遊びを運ぶことにより、多くの子どもたちに外遊びの機会を提供し、外遊びの大切さを伝えていた。 プレーカー活動は、自治体からの委託や補助を受けて事業を実施している団体が多かった。委託や補助の場合、単年度事業となり予算の変動(特に削減)があるため、安定した活動を続けることが難しいケースもあった。一方、自主事業として出動の依頼を受けて実施している団体もあり、この場合は、出動を依頼する団体等が、事業費を確保して依頼をしていた。 プレーカー事業は、利用者からは高く評価され、そのニーズも高いにもかかわらず、安定した資金が確保できないため、活動を拡げることが難しい状況であった。また、この活動を継続するためには、プレーリーダーの育成が非常に重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画であったドイツの専門家の来日することが難しく、計画の変更を余儀なくされた。一方で、コロナ禍が続くことにより、子どもの外遊びに対するニーズは高まっており、国内でもプレーカー活動を始める団体や自治体が増えてきた。 プレーカー活動をしている現場の訪問ができなかったため、次年度以降、現地調査を追加したい。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内でプレーカーの活動をしている団体の活動の様子を現地で調査し、ヒアリング調査で得られた結果とあわせて、遊び環境整備について明らかにしていく。また、可能であれば事業を委託している自治体側にもヒアリング調査を実施することとする。 2023年度以降に、ドイツの専門家との意見交換を目指し、日本のプレーカー活動実態の現状を明らかにし、まとめていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大防止のため、当初計画していた通りに研究が遂行できず、研究計画の変更を余儀なくされたため。2021年度の研究においても、リモートで調査することしかできず、現地に赴いての調査ができなかったため、次年度へ延長を決めた。
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Research Products
(1 results)