2019 Fiscal Year Research-status Report
生活時間・空間を視座とした衣生活と家族の変容に関する研究
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18K02247
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
山村 明子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (60279958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 知子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (80623610)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 主婦 / 家庭内労働 / 労働着 / 婚礼衣装 / 親子 / 入学式 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在推進中の当該課題について、2019年度には2件の学会口頭発表および1件の学会誌論文発表を行なった。 学会論文発表では、大正期に家庭内労働着が家庭の主婦の装いとして結び付けられた背景について, 労働着・家事労働・生活改良の観点から検討をした主婦の家事労働着の着用姿は, 大正期に主婦が家事労働の担い手となったことを表す一方で, 新中間層の生活における日常の服装のレベルアップが関与しており, 身ぎれいにして働く新しい主婦像を創出したことを明らかとした。 学会口頭発表では、生活時間、生活空間の変化と衣服との関連を、婚礼、入学式という儀式・儀礼の場における衣服に関する検討結果において発表した。婚礼衣装に関しては、明治末以降の婚礼という儀式に対する意識の変容、結婚支度、婚礼衣裳についての意識を調査し、今日では「伝統的」と認識される和装の婚礼衣裳が、大正期の消費行動の中でどのように形成されたのかを検討した。その結果、女性にとって着物が衣生活の主流であったこの時期に、婚礼衣裳は特別なものであるとともに、日常の服飾観と通底するものであることを指摘した。第二次大戦終戦後の入学式における母子の服装に関しては、和装の母親像から洋装の母親像への推移を分析した。 また、生活の変化は階層によって現れる事象が異なることから、比較的上層階級の婦人を読者層とした『婦人画報』を明治末の創刊期から大正期を通して調査し、研究内容に関連する記事を抽出し、分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末に学会論文投稿を予定していたが、新型コロナウィルス感染予防対策のために図書館等の利用が困難になったことも影響し、投稿ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度前半は新型コロナウィルス感染予防対策のため、図書館等の閉館も余儀なくされ、資料調査が難航することが予想される。十分な調査が行われなかった暁には、今年度は課題の最終年度ではあるが、次年度に延長をして、研究を推進したいと考えている。
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Causes of Carryover |
2019年度に購入を予定していた関連資料集の出版期日が延期になったため、購入できなかった。2020年度に購入を予定している。
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Research Products
(3 results)