2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K02258
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
関戸 啓子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90226647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 仁美 京都華頂大学, 現代家政学部食物栄養学科, 教授 (00469272)
植村 小夜子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (10342148)
堤 かおり 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (20327480)
關戸 啓人 京都大学, 国際高等教育院, 特定講師 (40718235)
原田 清美 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (80712934)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 終末期 / 療養者 / 食事 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、終末期にある療養者のための食事ガイドライン開発に向けて、全国の訪問看護ステーションへアンケート調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の状況下において、最前線で在宅療養者へ対応している訪問看護ステーションへの調査は難しいと考えて実施を見送った。 そのため、各研究者がアンケート内容の原案について、研究フィールドにおいて、意見の聴取を実施した。その結果を持ち寄り、研究者間でオンラインによるやりとりで、アンケート内容の再検討を行った。検討した結果、アンケートには家族の状況を吟味する項目が欠けていることがわかった。そこで、家族の視点を入れて、文献検討を2021年度には実施した。国内外の文献を検討し、内容分析を実施したところ、4つに類型化され、「最期まで経口摂取を維持する生活は家族にとっての希望となる」「食事の支援方法は患者・家族の意思を尊重する」「自宅で可能な食事を考えることが必要」「患者の思いに寄り添った食のケアが必要」と解釈した。患者が最期まで口から食事するという、医療に依存しない食事方法は、患者だけではなく、家族にとっても希望につながっていた。患者の思いに寄り添い、かつ家族が自宅でできる方法を検討して支援することの必要性が示唆された。この分析結果をアンケートに反映して、アンケートのブラッシュアップを行った。また、アンケート調査郵送先について、再検討を行い、郵送先の一覧表を一部変更修正した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、「終末期にある療養者の食事」の実態と関連要因をつかむためにアンケートを実施し、「終末期にある 療養者のための食事ガイドライン(案)」を作成する計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、訪問看護師など在宅の療養者を支えている専門職に対する調査は難しいと考え、実施を見送った。そのため、2021年度の目標であった、「終末期にある療養者のための食事ガイドライン(案)」を作成するまでに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
終末期にある療養者のための食事ガイドライン開発に向けて、家族の要素も入れて文献検討を行ったところ、新たな視点が得られたので、2022年度は国際学会で発表予定である。すでに演題は採択されている。発表時の意見交換や助言もふまえて、アンケート内容を検討し、訪問看護師など在宅の療養者を支えている専門職に対する調査が実施可能な状況になり次第、アンケート調査を実施する。アンケート結果を分析して「終末期にある療養者のための食事ガイドライン(案)」を作成する。作成した「終末期にある療養 者のための食事ガイドライン」は、関連する学会で発表を行う。論文としても投稿できるように、当事者から評価を受けるなど、コロナ禍で可能な方法を模索しガイドラインの妥当性を高めるように努める。
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Causes of Carryover |
2021年度に予定していたアンケート調査が実施できなかった。そのため、アンケート調査実施時に必要となる郵送費、その後の統計処理用に購入予定であった統計処理ソフトを購入していないために、次年度使用額が生じた。さらに2021年度には、「終末期にある療養者のための食事ガイドライン」を完成させるための打ち合わせ旅費と、その有用性確認のための現地調査用旅費、資料整理のための人件費、「終末期にある療養者のための食事ガイドライン」完成後には、研究成果の学会発表旅費、投稿のための英文校正料、投稿料、論文印刷代も使用する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研究計画が実施できず、次年度使用額が生じた。2021年度は、追加の文検討を実施したため、資料整理のためにアルバイトを雇用し、人件費を支出した。 残額は、2022年度にアンケート調査実施のための郵送費と統計処理ソフト購入、打ち合わせや現地調査用旅費、資料整理のための人件費、学会発表や論文投稿に必要な経費に使用する。
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