2020 Fiscal Year Research-status Report
給食の食塩相当量の低減化を目指す献立構成要素の品質における基礎資料の構築
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18K02260
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
名倉 秀子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (80189175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 ひろみ 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (00300004)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食塩相当量 / 汁物 / 副菜 / 主菜 / 献立 |
Outline of Annual Research Achievements |
汁物の加熱による蒸発率は、基礎的な実験の具材なしの汁から具体的な具のある汁物の実験を実施した。関東圏の2箇所(研究代表者と共同研究者)の施設にて蒸発率を測定し、冬季の湿度の低い時にやや高い傾向を統計的に把握し、関東圏での季節性が得られた。なお、施設の設備が異なっても、類似の蒸発率を示すことから、外気の湿度の影響が大きいことが明らかになった。すまし汁系の実験として、片栗粉を加えたとろみのある汁では、とろみにより蒸発率がやや抑えられた。しかし、みそ汁系(じゃがいも、玉ねぎの具)では、いずれも基礎的な蒸発率と類似の傾向を示した。これらのことから、関東圏における汁物の蒸発率は、季節性が明らかになり、気温より湿度の影響が有意であり、汁物の食塩濃度の調製は、冬季に高くなる傾向を把握できた。 副菜であるほうれん草のおひたしは、季節により食材の品種が異なることから、冷凍の食材を用いて、茹で後の絞り率、だし割醤油での調味後の食塩濃度について確認を実施し、調理工程での絞り率と出し割醤油において、冬季の食材と類似の食塩相当量を把握した。 主菜の揚げ物は、鶏肉の唐揚げの予備実験に留まり、食塩相当量の値を求めるまでには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続き主菜、副菜、汁物の大量調理における食塩相当量の変動要因を確認するための実験データの補充および献立における料理ごとの食塩相当量分布を把握するために官能評価を取り入れた実験の予定であったが、コロナ感染症予防のために構内立ち入りの制限がなされ、官能評価等による実験のパネルの確保ができず、また、給食作業における実験補助者等の手配も不可能であったため、遅れている、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の大量の実験を遂行するために、実験補助者を少ない事を前提として実験方法を検討することや、データを精査して、必要最小において精度を高める実験を実施する。 新たな方法で実験をすすめるべく、設備の環境を整えることで実験補助者が少なくとも実験遂行を可能とした。主として、主菜における大量調理上の食塩相当量の変動要因とその値を把握、確認し、給食における品質管理の状況から、利用者の食塩相当量の摂取量を推測する。 主菜、副菜、汁物を含めた献立における食塩相当量について、料理毎の変動幅を加えて考察し、適切な学会等へ研究まとめとして報告をする。さらには、献立のおける食塩相当量の分布が、喫食者の満足度を高めるための推察ができるようまとめる。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症拡大予防のために、実験が実施できなかった。そのため、次年度使用額が生じた。令和3年度は、追加実験を実施することとし、残額を材料費や栄養成分分析費用に充てる。また、得られたデータを確認、考察し、まとめてその成果を関連学会の学術大会および学会誌等で発表するために、大会参加費、学会誌掲載費および英文校閲費用等の一部とする。
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Research Products
(1 results)