2020 Fiscal Year Annual Research Report
Changes in the number of viable bacteria and protein components of pork loin during the long-term aging under superchilling
Project/Area Number |
18K02264
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
細見 亮太 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (20620090)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熟成 / 食肉 / 食感 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、熟成中のペプチドおよびアミノ酸生成に関与するプロテアーゼについて、チルド(4℃)および氷温(-1℃)での活性について評価を行った。本年度は、食感に関わるタンパク質の分子量およびサルコメアの小片化率を評価し、さらにチルドおよび氷温熟成した豚肉の食感について官能検査を行った。 チルドおよび氷温で熟成した豚肉から筋形質および筋原繊維タンパク質を抽出した。これらについてSDS-PAGEを行い、タンパク質の分子量を分析した。また、位相差顕微鏡で筋原線維の形態を観察し、全筋原線維における1~4個のサルコメアで構成する筋原線維の割合を求め、小片化率とした。筋原線維タンパク質のSDS-PAGEの結果、一般的に食肉の軟化と関連がある30 kDaのバンドが、氷温区でチルド区と比較し、バンドの増加が遅かった。一方、食肉の軟化の指標となる小片化率はチルドおよび氷温区ともに熟成期間の進行とともに同様に増大した。これは、熟成とともにZ線が脆弱化し、ホモジナイズに対する耐性が失われ、断片化が進んだ結果を示している。 さらに、腐敗の指標の1つである一般生菌数が同等であった豚ロース肉のチルド区4日および氷温区7日について官能評価を実施した。その結果、チルド区と比較して,氷温区では食感が有意に柔らかかった。氷温熟成はチルド熟成と比較し生菌数の増加を強く抑制できるため、長期間での熟成が可能である。このことより、豚肉を長期間氷温熟成した場合、チルド熟成よりも呈味成分の増加および軟化といった有用性が期待できる。
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Research Products
(3 results)