2023 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of maternal nutrition and gut microbiota on the development of type 1 diabetes in pups
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18K02267
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
籠橋 有紀子 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30369756)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 母体環境 / 多糖類 / 顕性糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
1型糖尿病は自己免疫疾患の一つであり、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島に自身のリンパ球が浸潤し組織を破壊することにより発症する。1型糖尿病は遺伝素因に環境因子が作用することが引き金となって進行し始めることが報告されており、環境因子には様々な候補があり、栄養素もその一つだと考えられている。我々は、1型糖尿病モデル動物の一つであるNODマウス(Non-obese diabetic mice)を用いた研究を行い、母体の摂取する栄養の違いが1型糖尿病の自己免疫反応の進行程度や、顕性糖尿病の発症率に影響を与える可能性があるという知見を得ている。 これまでに、母体の摂取する栄養素およびそれにより変化する母体もしくは仔の腸内細菌叢が、それぞれどのように仔の1型糖尿病発症に関わっているのかについて明らかにすることを目的として、検討を行ってきた。その結果、NODマウスの腸内細菌叢は、発症前後の病態の変化とともに変化が生じる可能性や、妊娠母体が摂取する食餌に含まれる脂質または多糖類の違いにより、仔の腸内細菌叢に変化があり、仔の自己免疫反応の進行に影響を及ぼす可能性が示唆された。そこで、妊娠母体に異なる鎖長の多糖類を含む食餌を離乳前に継続して、もしくは離乳後から摂取させ出生した仔の顕性糖尿病発症率について検討したところ、影響を与える可能性が示唆されたため、病態変化への影響を検討している。
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