2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Role of the Provost, the Chief Academic Officer at Higher Education Institution in the U.S.
Project/Area Number |
18K02271
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
浅野 茂 山形大学, 企画部, 教授 (50432563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 宏司 山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 教授 (30790563)
土橋 慶章 神戸大学, 大学戦略企画本部, 政策研究職員 (90730664)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロボスト / IR / IE / 意思決定 / 大学経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昨今の日本の大学関係者の関心事となっている米国の高等教育機関におけるInstitutional Research(以下、「IR」)機能のうち、教学面での実質的な意思決定者とされるプロボスト及び学部長に着目し、これらの役職者がIR機能をどのように活用して意思決定を行っているのかを明らかにすることを目的としている。 2018年度は、文献レビューを通じた情報収集を行い、プロボストに焦点を当てた数少ない著書数点を特定し、一部(Nielsen(2013)“Provost: Experiences, Reflections and Advice From a Former "Number Two" on Campus”,Stylus Publishing )を入手することができた。加えて、米国の大学を訪問(2018年9月 North Dakota State University,Bemidji State University)または訪日に合わせた面会(2019年1月 USF St. Petersburg)し、プロボストに3人に対するインタビュー調査を実施した。 詳細については、現在とりまとめているが、プロボスト職の多くは教員のバックグランドをもつ方が多く、Chief Academic Officer(CAO)として、財務のみならず人事についても教学面での全ての責任と権限を有している、といったことが確認できた。また、学長(President)との役割分担も進みつつあり、学長は寄附金獲得や政財界との渉外といった対外的な役割に重きを置いているのに対して、前述のようにプロボストは対内的な実質責任者として位置づけられていることも確認できた。なお、両者は共通して、IRから提供されるデータは対外折衝、意思決定のいずれの局面においても不可欠であるとの強い認識を持っていることであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画に沿って、2018年度は研究協力者との連携により「研究実績の概要」で示した、米国の大学におけるプロボスト3人に対するインタビュー調査を実施することができた。加えて、プロボストに関連する文献が限られている中、研究協力者の助言等を得て、一部を入手することができた。 以上の取組を通じて収集した各種情報については、現在、とりまとめの段階にあり、研究発表、論文等の成果として発信できていないことから、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本の大学においても学長及び理事にアプローチしてインタビュー調査等を実施するのは容易でないが、研究協力者との連携及び研究代表者及び研究分担者がこれまで築いてきた米国の大学におけるIR実務者とのネットワークを通じて、引き続き対象者の拡大を図る。 2019年度は、カリフォルニア州及びニューメキシコ州の数大学を訪問し、プロボスト等へのインタビュー調査を実施できるよう調整を進めている。加えて、国内における大学の状況についても情報収集を行った。特に、指定国立大学の認定を受けている京都大学、東北大学、名古屋大学で整備されつつあるプロボストまたは統括理事について状況を整理し、2019年度にインタビュー調査等を実施できるよう準備を進めている。 上記に加え、2018年度に実施した文献レビュー、インタビュー調査の結果を基に、学会発表、論文等を通じた成果発信を予定している。
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Causes of Carryover |
2018年度は、運営費等による出張と併せて海外調査を実施したことにより、本基金からの支出抑制を図ることができた。そのことにより、当初、使用予定であった旅費を次年度に繰り越すこととした。 この繰越金を活用し、2019年度はカリフォルニア州及びニューメキシコ州の数大学を訪問し、プロボスト等へのインタビュー調査の実施に加え、学会発表、論文等を通じた成果発信を予定しており、その際の旅費等として使用する予定である。
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