2020 Fiscal Year Research-status Report
職業上の機会均等の観点からの高等官任用資格試験の研究
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18K02284
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Research Institution | Sendai Seiyo Gakuin College |
Principal Investigator |
堀之内 敏恵 仙台青葉学院短期大学, こども学科, 准教授(移行) (50757169)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高等官任用資格試験 / 高等試験令第七条試験 / 就業格差 / 職業上の機会均等 / 官吏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に引き続き、高等試験令第七条試験(以下、高資)に関する史料の整理、分析を進めつつ、社会状況を見極めながら可能な範囲で調査、収集も実施する予定であった。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、1年を通して勤務校において業務多忙な状況が続き、収集した史料について全体を見通しながら、集中して分析を行う時間を確保することが困難であった。また、移動の制限や図書館、文書館の休館、利用制限により、史料調査、収集を実施することができず、依頼済み史料も文書館の休館により手続きが滞るなど新たな史料の入手が難しかったことも、進捗に大きく影響し、満足に研究を遂行すことができなかった。 新型コロナウイルス感染拡大に対する見通しの甘さを自省しつつ、本年度はデータベースの作成に注力した。第一に、「官報」を用いて各年度の高等試験司法科の合格者の名簿を作成するべくデータ入力を進めた。司法科については、高等試験令により弁護士の資格試験も兼ねるようになり、受験者が必ずしも高等官を目指しているとは限らないため、行政科の合格者を優先的に検討してきた。しかし、「職業上の機会均等措置」としての高資の役割を明らかにするためには、高資、高等試験予備試験を経て、司法科に合格した者についても分析することが有用だと考え着手した。 第二に、二次史料である高等試験受験者の合格体験記等が記されている雑誌記事のデータ整理である。収集済みの記事を分類ごとに整理し入力するとともに、「目次」を用いて未収集記事の洗い出しを行った。史料収集を実施する際、収集に要する時間を短縮し、悉皆調査を行えるよう準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述のとおり、本年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により勤務校での業務が多忙になり研究時間を十分に確保できなかったこと、史料調査、出張が行えない状況が続いたこと、依頼済み史料が文書館の休館等により収集できなかったことにより、計画通りに研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究課題の最終年度であったが、上述の理由により1年の事業期間延長を申請し承認された。 コロナ禍における1年間の経験を踏まえ、来年度は業務負担が本年度よりは軽減されることが予測されるため、収集した史料の整理、分析作業を効率的に進めるよう努める。現状では、史料調査が行える目処は立っていないものの、今後社会の状況が許せば、史料の所在が確認できている文書館から優先して、調査を実施していきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により史料調査、出張ができず、旅費の支出がなかった。本課題の事業期間延長を見通して支出したため、次年度使用額が生じることとなった。
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