2018 Fiscal Year Research-status Report
在宅医療・介護ケアにおける管理栄養士・栄養士教育について
Project/Area Number |
18K02286
|
Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
松井 幾子 和洋女子大学, 家政学部, 准教授 (80353209)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 靜 明和学園短期大学, 生活学科, 准教授 (40622238)
山下 三香子 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科(日本語日本文学専攻、英語英文学専攻),生活科学科(食物栄養専攻、生活科学専攻),商経学科(経済専攻、経営情報専攻),第二部商経学科】, 准教授 (10585441)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 国際学会発表 / 国内学会発表 / 在宅医療・介護 / 在宅栄養管理 / 栄養士教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年8月、研究目的①・②の在宅医療・介護場面で必要な栄養管理業務の内容および管理栄養士・栄養士に必要な知識・技術・能力を明確にするため、量的調査を行うための調査票を作成した。9月には、平成29年度に実施した同テーマでの調査「在宅医療・介護における栄養管理について~口腔ケアに着目して~」をまとめ、国際学会(マレーシア)で発表(研究発表10)し、他国の研究者たちから有意義な助言を得た。また、平成29~30年に実施した調査の結果を「在宅高齢者の栄養管理における配食サービスのあり方」としてまとめ、11月開催の国内学会で発表(研究発表10)し、多くの意見や助言を得た。国内外の研究者からの助言を調査票に反映させ、研究分担者(渡邉静・山下三香子)の協力の下、予備調査を実施し、12月には最終的な調査票を完成させた。平成31年2月下旬には、調査対象地域(沖縄県・鹿児島県・群馬県・新潟県・千葉県・東京都)の医療施設へ、返信締め切り平成31(令和1)年5月末日として調査票を送付した。同時に、回収率によっては対象地域(北海道・東北地方)を拡大し、平成31年度にもさらに調査票送付する必要があると考え、研究分担者とともに追加対象地域の医療機関等へ調査依頼を行い、その一部施設からは内諾を得ることができた。更に、研究目的②の在宅医療・介護場面で必要な管理栄養士・栄養士に必要な知識・技術・能力を明確にし得る研究として、研究分担者(渡邉静)が主体となって以前(平成28~30年)から実施している研究「栄養士・管理栄養士の実践力向上を目指す教育方法」について、論文(研究発表10)としてまとめた。また、研究代表者は、管理栄養士・栄養士の教育方法に不可欠な内容について書籍としてまとめた(研究発表10 平成31年度発行予定)。その他、量的調査の結果について考察を深めるための最新情報を収集し、文献研究を継続した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費申請時の計画では、初年度から研究目的③の有効な教育養成プログラム作成、教育媒体の開発を行う予定であった。しかし、平成30年度には具体的な形で成果を出すことができず、研究目的③については、文献研究のみに留まった。プログラム作成および教育媒体の開発については、文献研究は勿論、量的調査の結果から示唆される部分が大きいと考えている。量的調査の進抄状況は、当初の計画通り進んでいるため、8月末までにデータの解析が終了し、研究分担者と結果の考察を行う平成31年9月には、あわせて教育養成プログラム作成や教育媒体開発の検討を開始することができるものと考えている。 その他については、5.に記載の通り、平成29年以前から実施している同テーマの研究結果を学会・論文・図書としてまとめ発表し、今後も継続し本研究と合わせてまとめていく。 研究の計画を立てる時点から、教育機関に在籍する研究者の誰もが思い悩む点であるが、1年間の中で研究に集中できる期間は、授業期間を除いた時期(8月中旬~9月初旬、3月)のみである。そのため、教育業務が想定外に入ってこないことを大前提に計画している。8月中に今年度の量的調査の結果解析が終了すれば、このまま順調に進展していくものと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
調査票調査については、8月末までに大方のデータ入力・解析を終わらせ、9月には研究代表者と研究分担者2名で結果の考察を行う。可能な限り、調査結果の一部は第一報として、11月開催予定の国内学会で発表が可能になるよう演題登録(8月末演題登録締め切り)を目指す。さらに、必要と考えられる部分について、質的調査の計画を立て、2月中旬以降、質的調査が迅速に開始できるよう準備を進める。平成31年12月末までに、量的調査の結果の一部を次年度開催予定の学発表に向けたまとめ作業を行う。平成32年3月には、量的調査の結果を論文としてまとめ、学術誌や大学紀要に投稿する。 世界に類を見ない速さで進んでいる我国の高齢化は、国際学会での反響から、非常に関心が高いものと考えられる。しかし、栄養学の先進国である欧米諸国では、管理栄養士・栄養士の大半が、医療施設での臨床業務に従事している場合が多く、在宅療養・介護での栄養管理に従事するという考えはあまり無い。したがって、本研究のテーマは、海外でも今後益々注目される分野であると考えられる。可能な限り、国内外へ意義ある発信をし、理解を得ることで、本研究の最終目的である①良好な栄養ケアを提供可能な管理栄養士・栄養士養成教育方法を確立すること、②誰もが最良の栄養ケアを長期間継続して享受可能になることができるようになること、を実現できるようにしていく。
|
Causes of Carryover |
国際学会参加旅費の為替レートによる誤差で生じた余剰金
|