2019 Fiscal Year Research-status Report
「計画主体の多元化」状況下における地域生涯学習計画の再構築
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18K02298
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井山 竜平 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30304702)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会教育 / 生涯学習政策 / 生涯学習計画 / 平和学習 / 人口減少 / 指定管理者制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、宮城県教育庁生涯学習課との協力体制のもと、計4回の社会教育研修(2019年5月28日、8月28日、10月29日、12月10日)の企画・立案・実施を、県下各地の社会教育職員で構成した研修検討委員会単位での調査研究と並行しながら行いつつ、これからの時代における生涯学習計画論の検討を進めてきた。研修内容の具体は、①社会教育法の基礎的理解を「九条俳句訴訟」を素材に公民館報の意味を考え直すところから誘う内容、②近年若年層にも広がる認知症当事者や、そうした当事者運動で展開されている学習に学ぶ内容、③「学習の自由」が拓く平和構築学習、④人口検証社会に求められる公民館像、などであり、いずれも近年の社会教育職員対象の研修計画には乏しかった視点でありながら、これからに求められる観点からの内容である。研修の概要と受講者の感想は、宮城県のHPに掲載されている。こうしたメインの取り組みに加えて、今年度は、日本の生涯学習政策30年を検証するシンポジウムを、文部科学省の「生涯学習政策局」時代をよく知る関係者に集っていただき、東北大学にて実施(9月5日)した。その内容は『月刊社会教育』(旬報社)2020年1月~3月号で掲載されたほか、その内容をさらに検証する継続企画が4月号以降も続けられている。その他、研究から得られた知見の発信としては、『月刊社会教育』2019年6月号「座談会 私と社会教育法:70年の歴史をどう未来に生かすか」、日本社会教育学会(2019年9月13日、早稲田大学)特別企画「社会教育法70年と社会教育研究の課題」における報告「社会教育法70年と社会教育法制研究の課題」などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のメインとなる職員研修をめぐる計画はほぼ予定通り推進されている。また、当初の研究計画を修正・発展させて行った、日本の生涯学習政策の検証をめざしたシンポジウムは、重要な歴史的証言を多分に含んだ、関連学領域に一定の貢献をもたらせる内容を達成できたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍という事態を受け、研究計画は大きく修正せざるを得ないが、宮城県教育庁との協力体制をもとにすすめてきた、従来の社会教育職員研修のさらなる刷新は引き続き行う。ここでは、現在のコロナ禍という事態を受け、オンラインでの研修の可能性を拓くための検討を行う。また、掘り起こした事例や人材の知見を結集し、これからの時代の生涯学習計画論を提案する文献の刊行を目指す。
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